ビューティ

「フレデリック マル」創業者がブランドを去る “香りの出版社”としてニッチ市場を開拓

エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)傘下の仏フレグランスメゾン「フレデリック マル(FREDERIC MALLE)」の創業者であるフレデリック・マル(Frederic Malle)が、6月末でブランドを去る。マルはニッチなフレグランスビジネスの先駆けとして、2000年に同ブランドを設立。“エディション ドゥ パルファム(香りの出版社)”というアイデアをもとに、自身は“編集者”として有名調香師たちがブレンドした香りが主役のフレグランスに焦点を当て、それまでは裏方に徹していた調香師の名を前面に押し出したことで知られる。また、過去には調香師と共にドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)や故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)との協業による香水も手掛けており、最近は「アクネ ストゥディオズ(ACNE STUDIOS)」初の香水を発表したばかり。ファッション界とのつながりも深い。

マルは、声明の中で「今から25年前、私は業界屈指の調香師と最も要求の厳しい生活者との間に直接的なつながりを生み出すために、“エディション ドゥ パルファム”の仕事を始めた。そうすることで、私は(調香師の)鼻が彼ら自身を存分に表現し、彼らが自分の名前を記したいと思うほど作品に誇りを持てるようなプラットフォームを作り出した。“鼻”のための初の出版社になったブランドが、このようなパワフルな方法で香りのアーティストたちを世に知らしめるとともにフレグランスが芸術であることを世間に示し、職人的なフレグランス作りのムーブメントの礎を築くことになるとは予想だにしていなかった」と説明。「この成功は、当時私に賛同してくれた調香師たちの才能と寛大さのおかげだ。そして、他の全てのアーティストやスタッフ、特にショップで働く香水の専門家に感謝したい。彼らの日々の仕事が、私たちが調香師に与えている創造的な自由を可能にしている。また15年以来、『フレデリック マル』を発展させ、守り続けてくれているエスティ ローダー カンパニーズのメンバーにも感謝したい。彼らは、私が立ち上げたブランドのユニークな創業理念をこれからも実践してくれることだろう」と続けた。

一方、エスティ ローダー カンパニーズのステファン・ドゥ・ラ・ファヴェリー(Stephane de La Faverie)=エグゼクティブ・グループ・プレジデントは、「フレデリックが00年にブランドを立ち上げたとき、彼は世界の偉大な調香師たちに声を上げる力とプラットフォームを与え、フレグランス業界の常識を打ち破った。香水に自由と創造性を取り戻そうと取り組む彼の前衛的なアプローチによって、フレグランスの傑作を提案する真のラグジュアリーブランドが生まれた」とマルの功績を賞賛。また、「私たちは、フレデリックと共にブランドを成長させてきたことを誇りに思っている。そして、これからも彼のインスピレーションとフレグランス作りへの妥協なき献身を称え続けていく」と述べた。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。