「エルメス(HERMES)」は、ミラノで4月16〜21日に開催された「ミラノサローネ 2024(MILAN SALONE 2024)」で新作ホームコレクションを発表した。テーマは“素材で奏でるトポグラフィー”。トポグラフィーとは、地表の凸凹を表す地形図のことだ。大地をテーマに、見事なセノグラフィー(会場設営)を施して伝統と革新、素材とノウハウが対話するホームコレクションをそろえた。
プリミティブなセノグラフィーと洗練された職人技の呼応
毎年、新作のホームコレクション同様に、細部にまでメゾンの世界観が反映された会場設営を行う「エルメス」だが、今年のセノグラフィーには、16種類の石、10種類の土、4種類の木材、そして再利用されたレンガを用いて構成した。それら多くはフランスとイタリアのもので、アンティーク素材を用いて修復を行うフランス人の職人が約1カ月をかけて手掛けたという。自然素材で描いたプリミティブなモチーフと呼応するように、幾何学模様や馬具にまつわるモチーフを洗練された職人技で昇華したオブジェやテキスタイルを紹介した。
メゾンのアイデンティティーと職人の技が息づくコレクション
スムーズなレザーと槌目模様を施したアルミニウムでコントラストを描いたラウンジチェア“ディア バゾン ド エルメス”や馬の手綱や短鞭、障害競技のポールなどをモチーフにして「エルメス」の馬具工房としてのアイデンティティーを反映したランプ“ヴォルティージュ・ドゥ・エルメス”をはじめ、馬具づくりと皮革加工のノウハウを融合し、グラフィカルなモチーフを描いたバスケットやセンターピース“ダービー”などが登場。テーブルウエア“トレサージュ・エケストル”には、馬具に用いられるふち飾りや組紐のモチーフが描かれている。カラフルなジョッキーのウエアを着想源に、アプリケでリズミカルにグラフィカル模様を施したベッドカバー“イビック”やネパールで手仕事で紡ぎ、織り、染めたカシミヤブランケットなどのテキスタイルにも、職人の技が息づいている。