PROFILE: ケン・オオハシ=ブルックス ブラザーズ社長兼CEO
「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」は1818年にニューヨークで誕生した、アメリカを代表するブランドの1つだ。クラシックで品のいいビジネス用のスーツやシャツ、ネクタイを主力としているが、オフィスウエアのカジュアル化によるスーツ離れを背景に業績が低迷し、2020年7月に経営破綻。8月には、米アパレル運営会社スパーク・グループ(SPARC GROUP以下、スパーク)が3億2500万ドル(約497億円)で買収した。再建を託されたのは、スパークの親会社であるオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)出身のケン・オオハシ(Ken Ohashi)社長兼最高経営責任者(CEO)だ。同12月に就任し、2年足らずで黒字化を実現した。来日したオオハシ社長兼CEOに破綻の要因や再建の道のり、今後のブランドの方向性や展望について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号からの抜粋です)
WWDJAPAN(以下、WWD):直近の売上高や業績の推移などについて教えてほしい。
ケン・オオハシ=ブルックス ブラザーズ社長兼CEO(以下、オオハシ):数字は開示していないが、2023年は過去最高益を記録した。20年8月の買収時は課題が山積みだったものの、21年には黒字に転換し、22年も順調に成長。既存店ベースで3年連続で業績を伸ばし、コロナ禍前の19年と同じ水準にまで回復している。しかし、商品構成は当時とは大きく異なり、現在はスポーツウエアにも注力している。
WWD:マイケル・バスティアン(Michael Bastian)=クリエイティブ・ディレクターを任命した理由について。
オオハシ:多くの候補者がいたが、マイケルが第一候補だった。彼はアメリカン・トラッドが得意で、「ブルックス ブラザーズ」に深い敬意を抱いており、ブランドらしさを変えたいとは思っていない。なにしろ、「ブルックス ブラザーズ」のビンテージを集めていて、貴重な逸品を山ほど持っているぐらいなんだ(笑)。だから、就任後は喜々としてアーカイブを深掘りしているよ。
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