オーストラリア発のヘッドウェアブランド「ヘレンカミンスキー(HELEN KAMINSKI)」が、先住民の芸術保存に取り組むバッバラ女性センター(Bábbarra Women's Centre)と提携したハンドプリントコレクションを発表した。
オーストラリア、ノーザンテリトリー州の州都ダーウィンから東に500キロ、アーネムランドの北海岸に、マニングリーダという先住民族のコミュニティがある。そこに拠点を構えるバッバラ女性センターは、女性のための安全なスペースとして1983年に設立された。知識やアイディアを共有する施設としても機能しつつ、現在では、1989年に設立したバッバラ・デザインズと呼ばれるテキスタイルビジネスが同センターの主要な社会事業となっている。バッバラ・デザインズでは、100名を超えるアーティストのデザインと手捺染のテキスタイルで、地元女性たちとコミュニティの経済的自立を促している。
2024年春夏のコレクションでは、バッバラ女性センターから2名のアーティストを招聘し、先祖代々語り継がれている物語をユニークに解釈し、鮮やかなハンドプリントのテキスタイルでコレクションを制作した。
エリザベス・ウルンミングの「ダッカラ」は、貝の一種であるコケモモの祖先の物語と、その民族が享受した漁業のライフスタイルを表現した。ジャネット・マフラーの「クンレッド・クンクラ」は、ジャネットの一族の故郷であるマンコールロッドで嵐が起こるまでの渦巻く風と地中の稲妻が描かれている。
今回のプロジェクトは先住民の文化・芸術を保護し、ファッション・繊維業界との協業を支援する先住民ファッションプロジェクト(IFP)がサポートしている。