ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第109回

「座り接客」はダメですか? 接客時の視線や目線は、買い物客の気持ちに影響

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並木通りの「グランドセイコー(GRAND SEIKO)」ブティックは、新しい人たち、特に若い世代にブランドを知ってもらうべく、開放的に仕上げています。中でも注目すべき1つは、対面接客における座り方、つまりカウンターや目線の“高さ”を複数用意していること。1階奥にある接客空間では、ソファーでじっくりという接客はもちろん、ハイスツールに浅く腰掛けながら胸の位置にある机で商品を吟味することもできます。後者は、前者のような“じっくり”接客に敷居の高さやプレッシャーを感じる人たちに向けた配慮です。

接客時の姿勢や目線は、買い物客の気持ちに大きく影響するというワケです。例えばアメリカ・ニューヨークの高級専門店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)の靴売り場のスタッフは、低めのソファに腰掛けた買い物客を相手に、片膝を床につけながら要望を聞いたり、試し履きをサポートしたり、フィット感を尋ねたりしています。片膝をつくという姿勢はもちろん、スタッフは買い物客を若干見上げ、買い物客はスタッフを若干見下ろすという姿勢や目線は、ことファッションやビューティの購買時に欠かせない高揚感(優越感)を提供するのでしょう。バーグドルフ・グッドマンがシューズ界の“聖地”の1つと捉えられているのは、売り場やMD、スタッフの専門知識はもちろん、接客時のスタッフの姿勢や目線にも注意や敬意を払っているからだと思います。

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