スーツに見える作業着「WWS」を展開するオアシスライフスタイルグループ(東京、関谷有三社長)は、黒×高機能にこだわった新ブランド「マックロ(MACQLO)」のポップアップストアを大阪・梅田のグランフロント大阪にオープンした。営業期間は4月19日〜5月26日まで。
自社開発した機能性素材「アルティメックス」を使用し、黒色のみを展開する。ストレッチ性や撥水、速乾性、耐久性に優れた高機能素材を一番の特徴とし、30〜40代男性の私服選びの悩みの解消とアパレル業界が抱える問題の解決を目的に開発した。
街中には上下黒の洋服を着用している男性が多く「WWS」でも機能性カジュアルウェアの要望が多かった。実際、30〜40代の男性1000人を対象にアンケート調査した結果、85%が洋服を購入する際に黒のアイテムを選ぶ傾向が強いということも明らかになった。
素原勇人WWS事業部長は「服選びは面倒だけどこだわりはあるという男性が黒を選ぶのは、長く着られるし、少し痩せて見えるうえ、流行に左右されず、他の色の邪魔をしないから。黒一色に統一することでビジネス的にも強みになると判断した。ビジネスにもカジュアルにも着られる機能性ウェアが市場に少ないことも理由のひとつ」と話す。
「ファッションの悩みを塗りつぶす」
ブランドコンセプトは「ファッションの悩みなんて、すべて真っ黒に塗りつぶせ。」。名称の「マックロ」は、真っ黒という意味と“Man choose quality of life(質の高い生活を選ぶ)”の頭文字を重ねた。ポップアップストアには、コンセプトとメッセージを伝える大きな黒のボックスを設置した。「マックロ」のオリジナルを中心に「WWS」のほか、22ブランドの仕入れアイテムを取り扱う。仕入れブランドは「グラミチ」「グレゴリー」「エラシオ」「カラハン」「コンバース」など、機能性とデザイン性を兼ね備えた国内外のブランドから厳選した。
「マックロ」オリジナルは、半袖Tシャツ3型、長袖Tシャツ2型、シャツブルゾン、ウォッシャブルライダーズ、イージーパンツ、カーゴパンツの全9型。一般的な綿のTシャツは首回りがリブ素材になっていて着ているうちに生地が伸びてくるが、「マックロ」ではそうならないよう身頃と同素材を使用し、左肩にコンシールファスナーを付けて着脱しやすくした。また人気のライダース型アウターは、革ジャンを着たくても着られなかった男性向けに、柔らかなタッチのオリジナル素材でライダースを再現した。重厚感のあるジッパーなどを使い、革ジャンのデザインにこだわった。
オリジナル商品の価格はTシャツ9900〜1万3200円半、パンツ1万6500円、アウター1万7600〜2万6400円。
早くもリピーターがつく
3月7日〜31日まで展開していた「マックロ」渋谷パルコ店のポップアップストアでは、初日の売り上げが目標の10倍を超え、全体でも想定の3倍の売り上げを記録した。客単価は3万円超だった。ターゲット層の40代以上の男性客で、全身黒でコーディネートした客が多く見られた。ブランドスタート2週間で店舗とオンライン販売のオリジナル商品は完売し、現在も予約が最大3カ月待ちとなっている。
ポップアップを展開して気づいたことは、「リピーターが多いということ」と素原部長は話す。「『WWS』のリピート率が8割超えているので、『マックロ』も一度気に入ってもらえると長く着てもらえると思う。丈夫で長持ちする商品だから買い替え需要が少ないのではと当初は懸念していたが、買い方をみていると買い足していってる方が多い」(素原部長)。「WWS」と同様に、「マックロ」の定番商品も計画生産し、6年は売り続ける予定だ。
6月5日には渋谷のミヤシタパークに初の直営常設店をオープンする予定。今後、リアルとオンラインで売上げを拡大し、「WWS」と同規模の年商10億円をめざす。