デンマーク・コペンハーゲン発のコンテンポラリーブランド「ガニー(GANNI)」は、新たな最高経営責任者(CEO)に、ローラ・デュ・リュスケック(Laura du Rusquec)前バレンシアガ(BALENCIAGA)副CEOを任命した。2018年の就任からビジネスを2ケタ成長させるとともに小売市場での存在感を高めてきたアンドレア・バルドー(Andrea Baldo)CEOの後任となる。同ブランドはコペンハーゲンのほかに、ロンドン、パリ、ニューヨーク、上海にオフィスを構えており、デュ・リュスケック新CEOはパリを拠点に指揮を取る予定だ。
ビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」によると、デュ・リュスケック新CEOはフランスのESSECビジネススクールを卒業後、06年に投資銀行のモルガン・スタンレー(MORGAN STANLEY)に入社。その後、09年からグッチ(GUCCI)で戦略担当のシニアアソシエイトとして働いた後、11年に同ブランドの親会社ケリング(KERING)のビジネス開発とM&A担当のプロジェクト・ディレクターに就任した。13年からは同グループ傘下のポメラート(POMELLATO)でマーケティング&マーチャンダイジング担当グローバル・ブランド・ディレクターを務め、16年にケリングに戻り、ラグジュアリークチュール&レザーグッズ部門の戦略ディレクターに就任した。そして、17年1月に同じくケリング傘下のバレンシアガに入社。リテール関連の要職やヨーロッパ、中東及びアフリカ(EMEA)地域担当社長を務めた後、23年10月に副CEOに昇進した。
ファッションの未来に必要なものを体現する「ガニー」
就任に際し、デュ・リュスケック新CEOは「このような重要な時期に『ガニー』の一員となり、ブランドの強固な基盤を築き上げていけることをうれしく思う。『ガニー』のイノベーションに対する積極的な姿勢やサステナビリティ、そしてラグジュアリーへの先進的なアプローチは、まさにファッションの未来が必要としているもの。才能あるチームを新たな高みへと導き、グローバル展開をさらに拡大させていくことを楽しみにしている」と述べた。
「ガニー」のオーナーであるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の投資会社Lキャタルトン(L CATTERTON)のエドゥアルド・ヴェラスコ(Eduardo Velasco)=パートナーは、「EMEA地域やグローバル市場におけるラグジュアリーに特化した豊富な経験を持つローラは、ブランドを次の成長段階と革新へと導くためにふさわしいユニークな洞察力と戦略を持っている」と評価する。
なお、「ガニー」は00年にカシミヤ製品を扱う店として創業。09年に創業者のニコライ・レフストラップ(Nicolaj Reffstrup)とクリエイティブ・ディレクターのディッテ・レフストラップ(Ditte Reffstrup)夫妻が、新たな北欧スタイルを打ち出すウィメンズブランドとしてリブランディング。服を通して独自のコミュニティーの構築を目指すとともに、地球環境への負荷の最小化と社会貢献に取り組んでいる。22年には、社会や環境への配慮、透明性、説明責任、持続可能性において企業のパフォーマンスを評価した国際的な認証制度のBコープ認証を取得した。現在は世界に45以上の直営店を構え、公式ECでは35カ国への発送に対応。さらに600以上の百貨店やセレクトショップに卸している。