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アダストリア×ヨーカ堂「ファウンドグッド」開始2カ月 30〜40代女性の獲得に手応え

アダストリアとイトーヨーカ堂は、2月に開始したアパレルの協業ブランド「ファウンドグッド(FOUND GOOD)」の滑り出しについて、想定通り30〜40代の顧客獲得につながり、食品との買い回りにも効果がみられると発表した。「ファウンドグッド」ではアダストリアが企画・生産した商品をヨーカ堂に商品供給する。ヨーカ堂は2023年3月に自前のアパレル事業から撤退すると発表していたが、アダストリアと組んで仕切り直した。GMS(総合スーパー)の衣料品の再建事例として注目されている。

食品との買い回り効果を生む

24日、イトーヨーカドー木場店(東京都江東区)で両社が記者会見を行った。同店には2月15日に開店した「ファウンドグッド」1号店が入る。

ヨーカ堂が同ブランドに期待したのは来店客層の若返りと買い回りの強化だった。モデル店舗である木場店の滑り出しの実績では、アパレル平場の客数が1.4倍に上昇し、新規顧客の割合が12.4%だった。ヨーカ堂が重視している食品との買い回りも1.4倍に増え、アパレルと食品を買い回る客の客単価は2倍になった。来店顧客に占める30〜40代の女性の割合は、導入前の40.7%に対し、導入後は49.4%に増えた。

ヨーカ堂の梅津尚宏・執行役員専門店事業部長は「アパレルにとどまらず、食品を含めた売り場全体に30〜40代の女性のお客さまを呼び込んでくれた」「アダストリアは(ヨーカ堂の)販売員の接客研修にも力を入れており、現場のモチベーションも上がっている」と高く評価する。

春夏物では吸水速乾やUVカット、イージーケアなどの機能性のあるワンピースやブラウスがよく売れた。キッチン用品やモバイル関連品などの生活雑貨も新規顧客の入り口として機能した。

アダストリアの小林千晃・執行役員ビジネスプロデュース本部長は「週単位でデータを分析し、MDの細かい修正をしたり、発注数についてもヨーカ堂とすり合わせたりしてきた。GMSでの新しいお客さまと接点を持つことで、事業の幅を広げていきたい」という。同社が「グローバルワーク」「ニコアンド」「スタディオクリップ」などで培ったノウハウも活用する。

「ファウンドグッド」は現在47店舗で、7月までに64店舗に広げる。100坪、150坪、200坪、300坪の4種類の売り場パターンを用意する。面積だけでなく、食品売り場と隣接したり、他の衣料品専門店と並びあったりする環境の違い、あるいは地域特性も考慮して、MDの検証を重ねる。

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