アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。スニーカーやストリート界隈では同一商品の購入は1人1点までが常識。そのため転売ヤーたちは、人数を集めて買うしか、大量にモノを仕入れることができなかった。だが、最近は少し事情が違うらしい。ニューヨークの「シュプリーム(SUPREME)」では既に、これまで1人1点までだった商品が、何点でも欲しいだけ売ってもらえるとか。これも行き過ぎた資本主義が招いた現象?今回は、最近の転売ヤーについての話。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号からの抜粋です)
――今号は「原宿特集」です。17日に開業した「ハラカド」は、全体的に前評判がいいように思いますが、どうですか?
本明秀文(以下、本明):原宿は“路面”の街だから、上層階に行けば行くほど売れなくなる。だから向かいの「オモカド」の上層階は、実際に飲食店しか生き残っていない。「ハラカド」ももの珍しさで初速は好調だろうけど、あとが心配。だけど、原宿で路面以外でも売れる「ゴローズ(GORO’S)」と「シュプリーム」は別格だね。少し前にニューヨークの「シュプリーム」に行ってみたけど、人もたくさんいて、すごく売れている感じがした。中でも、3月に上海にオープンした「シュプリーム」の勢いもあってか、中国人転売ヤーのパワーがすごい。店頭でコラボ“エア フォース 1(AIR FORCE 1)”を2000足まとめて買って帰ったり、リーク画像が出回るからどれが高く売れるかを事前に把握して、お目当ての商品のサイズと枚数を紙に書いてスタッフに渡したりしていた。Lを10枚、XLを20枚みたいな案配で。
――以前は、各モデル1枚とか1足とか購入点数に制限を設けたり、ときには「シュプリーム」を着ていないと売ってもらえなかったり、転売ヤーに対して徹底抗戦の構えを貫いていましたが、最近は事情が変わったんですか?
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