PROFILE: 藤原裕/ベルベルジン ディレクター
「ベルベルジン」は1998年に原宿で創業。原宿の古着屋としては後発だが、古着ファンの熱い支持を得て今や日本を代表するビンテージショップに成長した。商品によっては数百万円の値段がつくビンテージジーンズを求めて、海外からも客が毎日やってくる。コレクターだけでなく、著名なファッションデザイナーも着想源として希少な古着を探す。ディレクターの藤原裕さんは「僕たちのずっと先輩の古着屋が脈々とカルチャーを作ってきたから今日がある。ビンテージの価値を発見し、その価値を世界中に広めていったのが、原宿の古着屋だった」と説明する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号からの抜粋です)
ビンテージの価値観は
原宿の古着屋から世界に広がった
藤原裕/ベルベルジン ディレクター
原宿の古着の歴史は長い。「サンタモニカ」や「シカゴ」、そして希少性のあるビンテージ品でいえば「フェイクアルファ」(現在はベルベルジンがグループ化)や「バナナボート」などがパイオニアとなって時代を築いてきた。インターネットもない時代に米国をレンタカーで旅し、電話帳の中から目星をつけて、玉石混交の在庫の山から1940〜70年代のデッドストックのジーンズを買い集めた。限られた好事家の趣味だったビンテージをファッションとして広めるきっかけを作った。
「当のアメリカ人が気づかなかったビンテージの奥深さを知らしめ、今ではアジアや欧州までその価値は浸透している。アメリカとは違った意味で、原宿はビンテージファッションの発信拠点になった」。
藤原ヒロシやNIGO®らによる裏原宿ファッションも原宿のビンテージを語る上では欠かせない。「90年代の裏原宿ファッションは、着こなしにビンテージデニムをミックスしたり、古着をサンプリングしたモノ作りをしたりした。ストリートカルチャーと結びついたことも、原宿の古着を独自のものにした理由の一つ」だという。
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