カナダ・バンクーバーを拠点とする「ルルレモン(LULULEMON)」は、2024年パリオリンピック・パラリンピックに出場するカナダ代表チームの開会式と閉会式などで着用するウエアを提供する。「ルルレモン」はカナダチームの公式アウトフィッターとして、22年北京冬季大会から28年ロサンゼルス夏季大会までの4大会において、チームのウエアを手掛けることになっており、今回は2回目。夏季大会のウエアは初めてになる。
「ルルレモン」はウエア製作にあたり、14競技19人のオリンピック&パラリンピックの選手と協働し、彼らの身体的、精神的なニーズをリサーチ。その結果、軽量で吸汗速乾性に優れた素材を使用し、温度調節機能や調節可能なドローコード、新たに設計したポケットを備えたウエアが完成した。
開会式用のボマージャケットとショートパンツには、カナダのアートや建築、自然を表したモチーフが描かれたジャカードプリントをデザイン。表彰台に立つ用のウエアは、ショートパンツに切り替わるパンツやジッパーで袖が取り外せるジャケットがあり、カナダのナショナルカラーの赤と白のグラフィックが全体に描かれている。
また、オリンピックをテーマにしたランニングシューズやメディア対応用のフード付きジャケットやショートパンツを用意。閉会式用には、地元ウィスラーの先住民、サドルレイク・クリー族のアーティスト、メイソン・マション(Mason Mashon)とコラボレーションし、オーロラを含む自然の象徴を表現したプリントのウエアもラインアップする。
ビーチバレーのアスリートで、「ルルレモン」のアンバサダーでもあるメリッサ・ヒューマナ=パレデス(Melissa Humana-Paredes)選手は、「このコレクションで気に入っている点は、それぞれのアスリートにフィットするよう包括的なアイデアで作られていること。デザインも美しく、アイテムを着用することで、自分のクリエイティビティを発揮して自分らしくいることができると感じている」と語った。
パラリンピアンのためには、ウエアに点字やマグネット付きファスナー、感覚でのタッチガイドといった特殊な機能を盛り込んだデザインを採用。また座った姿勢で競技する選手のために、フィット感のいい“シーテッド・フィット・カーペンターパンツ”(Seated-Fit Carpenter Pant)や持ち運びしやすい“パッカブル・レイン・ポンチョ(Packable Rain Poncho)”といった2つのアダプティブスタイルを提案している。
車椅子ラグビープレイヤーであり、「ルルレモン」のアンバサダーであるザック・マデル(Zak Madell)選手は、「この製作プロセスに携わった最大のメリットは、コレクションを開発するために、アクセシブルでアダプティブな解決策を見出そうとする『ルルレモン』の真摯な姿勢を目の当たりにしたことだ」と振り返る。
カルバン・マクドナルド(Calvin McDonald)=ルルレモン最高経営責任者(CEO)は、「2回目となる今回のコラボレーションで、新たなトップアスリートたちと親交を深め、彼らのニーズを最優先したデザインを製作できたことに大変嬉しく思っている。選手の身体と能力をサポートすることにフォーカスした快適性や機能性、スタイルに合った革新的なアイテムになっている。世界最大のスポーツの舞台で戦う彼らを応援するのが待ちきれない」とコメントした。
ウエアの一部は一般販売予定で、4月16日にオンラインで、17日にカナダの一部店舗で発売する。主な商品と価格は、切り替え可能なパンツが198カナダドル(約2万2600円)、ジャケットが248カナダドル(約2万8300円)、ハイライズショーツが68カナダドル(約7770円)、半透明のフード付きジャケットは188カナダドル(約2万1400円)、開会式用のボマージャケットは398カナダドル(約4万5400円)、ショーツは98カナダドル(約1万1400円)、ランニングシューズは198カナダドル(約2万2600円)、持ち運び可能なレインポンチョは298カナダドル(約3万4000円)。この他のカナダチームのアパレルとアクセサリーは7月の大会開幕前にアメリカのオンラインショップとパリの一部の店舗で販売される予定だ。