ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

人材を育てる中で躍進する才能への興味は尽きない

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ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、美容業界のプロフェッショナルキャリアの話。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号からの抜粋です)

PROFILE: 渡邉弘幸/ウカ代表取締役CEO

渡邉弘幸/ウカ代表取締役CEO
PROFILE: (わたなべ・ひろゆき):東京都出身。明治大学卒業後、博報堂に入社。2009年の退社後、夫人でありネイリストとして活躍する渡邉季穂(わたなべ・きほ)の祖父が創業した向原(現・ウカ)に取締役副社長として入社。美容室「エクセル」からトータルビューティサロン「ウカ」へのリブランディングのほか、教育機関「ウカデミー」、オリジナルプロダクト・サロンメニューの開発を担うR&D、「ウカフェ」の立ち上げ、海外展開にも尽力。14年から現職

【賢者が選んだ注目ニュース】

ウカにはトータルビューティカンパニーとして、髪の毛・頭皮からネイルや眉・まつ毛、スキンケアやボディーケアのことまで、さまざまな美を手がけるスタッフが所属している。どのようにデザイナーやクリエイターを育てていくかが、私の大きな仕事の一つといえる。そのため躍進しているアーティストや売れっ子スタイリストのバックグラウンドに興味があり、2つの記事をピックアップした。

「アルマーニ ビューティ」のグローバル・メイクアップアーティストに就任した上田裕美氏は、モード界の帝王ジョルジオ・アルマーニ氏の意志を継ぐ立場の人であり、対してK-POP界のトレンドヘアを生み出すヘアスタイリストのパク・ネジュ氏は今世界を席巻する韓国美容を牽引する人物。伝統と革新のコントラストも興味深く、両者のバックグラウンドは楽しく記事を読むことができるので、美容師は一読してみては。

クリエイションとはもの作りの過程

上田氏はとてもアカデミックなバックグラウンドを持っている。彼女がロンドンで学んだ学問がカラーセラピーだったということに目が留まった。“色が人を癒やす”というカラーセラピーの知見は彼女のメイクの大きな武器になっているだろう。作品を見てみると、癒やしの要素を感じるのだ。それをアルマーニ氏はバランス感覚や優雅さ、繊細さと評しているが、日本人的な視点でありみやびな感覚ともいえるだろう。そんな彼女のメイクが今注目され、時代に選ばれたということに日本のビューティの可能性を感じる。
 
また先だっての「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」のショーでは、1枚のレファレンスの写真からムードボードにまとめ、スケッチし、最終的なプレゼンテーションブックに落とし込んだという。これはまさしく当社のスタッフたちがクリエイティブコレクションを制作する際に行う作業と重なる。テーマを決めて、ブリーフィングをした後にムードボードにまとめ、フォトグラファーやスタイリストたちと意見を交換しながら最終的な形を作っていくのだ。

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