ファーストリテイリンググループが擁する「セオリー(THEORY)」のジェフリー・カリンスキー(Jeffrey Kalinsky)=チーフ・クリエイティブ・オフィサー兼チーフ・マーチャントが退任した。後任については明らかにされていない。また、「セオリー プロジェクト(THEORY PROJECT)」を手掛けてきたデザイナーのルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)もブランドを離れた。
カリンスキー前チーフ・クリエイティブ・オフィサー兼チーフ・マーチャントは、1999年に高級セレクトショップのジェフリー(JEFFREY)をニューヨークのミートパッキング地区にオープン。「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「シャネル(CHANEL)」などを扱って人気を博し、同地区にほかのデザイナーズストアが出店するきっかけとなった。2005年、米百貨店ノードストローム(NORDSTROM)が同店の過半数株式を取得したことから、デザイナー・マーチャンダイジング・ディレクターとして同百貨店に入社。その後、バイス・プレジデントなどの要職を務めたが、20年にノードストロームがジェフリーを閉店したことに伴い退職。21年11月に「セオリー」のクリエイティブ・コンサルタントに、22年3月にチーフ・クリエイティブ・オフィサー兼チーフ・マーチャントに就任した。同氏は、「2年半にわたって『セオリー』のコレクションをデザインできた喜びは計り知れない。しかし、次へと進むときがきた」と語った。
オッセンドライバーは、1971年オランダ生まれ。2001年から、エディ・スリマン(Hedi Slimane)が率いていた時代の「ディオール オム(DIOR HOMME)」(現「ディオール」)でデザイナーとして経験を積む。05年に「ランバン(LANVIN)」のメンズ・クリエイティブ・ディレクターに就任し、ウィメンズを手掛けていた故アルベール・エルバス(Alber Elbaz)と共にブランドの黄金期を築いた。18年の退任後、しばらくファッション業界の第一線から退いていたが、21年に「セオリー」との協業を発表。22年8月から、メンズ&ウィメンズのカプセルコレクション「セオリー プロジェクト バイ ルカ・オッセンドライバー」を手掛けており、24年3月には4シーズン目となる24年春のカプセルコレクションを発売した。今回、ブランドを離れる理由については明らかになっておらず、同氏やディネシュ・タンドン(Dinesh Tandon)=セオリー グローバル最高経営責任者のコメントも得られなかった。
また、グローバル・マーチャンダイジング部門のシニア・バイス・プレジデントや、ブランドコンテンツ・ヘッドらも4月22日の週に退任している。