ファッション

ZOZOコスメ好調、今期130億円 プチプラ強化 25年3月期

ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2024年3月期通期決算は、商品取扱高(=GMV、その他商品取扱高を除く)が前年同期比7.1%増の5369億円、売上高が同7.4%増の1970億円、営業利益が同6.5%増の600億円、経常利益が同5.4%増の597億円、純利益が同12.2%増の443億円だった。同社は配当性向70%を目安としており、昨年10月31日に発表した年間配当金98円を104円に引き上げた。

親会社のLINEヤフーが運営する「ヤフーショッピング」内の「ゾゾタウン支店」が好調で、同事業のGMVは15.7%増の576億円と大幅に伸び、暖冬で24年1〜3月に春物販売が伸び悩んだ主力の「ゾゾタウン」をカバーした。「ゾゾタウン」内の広告事業、いわゆるリテールメディア事業も好調で、売上高は25.3%増とこちらも大幅に伸びた。

営業利益率は、ほぼ横ばいの同0.1ポイント悪化の11.2%(GMV対比)。物流拠点の「つくば3」の稼働などのコスト増を、人件費の抑制や出荷単価増、ヤフーショッピングの大幅増でカバーした。

ただ、暖冬の影響は小さくない。ずっと伸び続けてきた年間購入者数は、0.1%減とわずかながら数年ぶりに減少に転じた。栁澤孝旨・副社長CFOは「暖冬の影響でアクティブ会員の増加が想定を下回り、新規会員の獲得が低調に推移した」という。商品単価も第4四半期(1〜3月)は、テナント側の商品価格の上昇が続く中で、前年同期比で0.4%増の4003円にとどまった。

一方で出荷単価は、積極的な送料無料施策が奏功し、1注文あたりの合わせ買い点数の増加で同5.2%増の8735円。暖冬を巧みな施策の実施で最小限にくい止めた。

25年3月期の見通しは、GMV(その他商品取扱高を除く)が5722億円、売上高が2144億円、営業利益と経常利益が642億円、純利益が452億円、配当金は107円。主力の「ゾゾタウン」事業が前期比6.5%増の4951億円と増加を見込むほか、「ヤフーショッピング」を中心とするLINEヤフーコマース事業が同10.2%増の636億円と引き続き急成長させる。また、24年3月期でGMV113億円と大台に乗せたコスメ事業を、今期も130億円と伸ばす。「デパコス系の出店は順調に進んでおり、今期はプチプラコスメを強化する」(廣瀬文慎・取締役兼COO)。クーポンなどの積極的なプロモーション施策で、これまで中心だったファッションとの買い周りだけでなく、「コスメをめがけて毎日ゾゾタウンに来る、『コスメを買うのもZOZO』を定着させたい」(廣瀬COO)と意気込む。

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