資生堂は、フレグランス及びメイクアップアイテムをグローバルで展開するニッチコスメブランド「セルジュ・ルタンス」の商標権を獲得すると発表した。1992年から「セルジュ・ルタンス」の製品を製造販売してきたが、このたび商標権を獲得することで、ブランドへの投資を拡充していく狙いがある。クリエイティブ・ディレクターであるセルジュ・ルタンスは、これまで通りクリエーションに従事することに合意している。
ルタンスは1980年から約20年間、資生堂のグローバルイメージとビジュアルアイデンティティを担当していた。その間、香水「ノブルノアール」、コスメティックブランド「インウイ」など、数々の商品・宣伝物を制作し、その洗練されたヴィジュアルは資生堂のグローバル進出を後押しした。資生堂は今後、パリ以外にも「セルジュ・ルタンス」ブティックの出店を計画していて、モスクワ、ニューヨーク、東京などを想定しているという。
2014年末から、ロレアルやエスティ ローダー カンパニーズなどの大手化粧品会社が、フレグランスを中心とするニッチコスメティックブランドへの投資を強化する動きが強まっている。このたびの資生堂の商標権買収も、今後の伸びが予測される同カテゴリーの強化を狙うものとみられる。