日本の若者の間で韓国ブランドの存在感が増している。K-POPブームが追い風だが、それだけでは説明できない強さがある。韓国ブランドの魅力の源泉は、“美意識”と形容しても大げさではない、店舗空間やビジュアルへのこだわりやお金のかけ方。われわれも学べることは多い。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月29日&5月6日合併号からの抜粋です)
“生産拠点”から韓国ファッションの“発信地”へ
韓国はかつて、日本をはじめとする他国のアパレル企業の生産拠点だった。日本貿易機構の統計によると、韓国からの「衣類・同附属品」の輸入金額は、1989年の4347億円をピークに年々減少を続け、2023年には61億円まで減った。70年代以降は衣類など繊維製品の輸出産業を成長のドライブとした韓国だったが、その後は圧倒的な労働力を持つ中国に押し負け、日本へのアパレル輸出も縮小していった。
だが近年の韓国は生産拠点を脱し、「韓国ファッション」の発信地として進化を遂げた。若者マーケティング機関のSHIBUYA109 lab.が昨年実施したZ世代(15〜24歳)対象の意識調査(回答者:410人)では、「同世代の中で人気の国・地域」の項目で28%が韓国と答え、アメリカ(15.1%)、フランス(9.5%)などを抑えての1位となった。ファッションやコスメに対する関心を示す回答が多かったようだ。
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