「WWDJAPAN」でビューティ分野を担当する前は、繊維の専門紙で10年ほど働いていました。担当分野の一つにブライダルがあり、年1回ブライダル特集を掲載していたことから、先日他界されたブライダルデザイナーの桂由美さんに毎年といっていいほどインタビューしていました。とはいえビューティ担当になり14年目なのでかなり前のことになります。
本業のウエディングドレスデザイナーとしての活躍は広く知られているので、それ以外で印象的だったことは……と遠い記憶を呼び起こすと、桂さんは20年以上前から地産地消や地方創生、女性活躍を地で行っていたことでした。伝統文化の衰退を危惧していたころに、福井県の和紙職人に出会いウエディングドレスにすることに。越前和紙を使ったドレスを2002年7月のローマ・オートクチュールコレクションで初めて発表。以降、和紙素材のドレスを毎年発表していました。実際に和紙のドレスを触らせてもらった際に、和紙とは思えないほどの強度に驚き、その感触は今でも忘れられません。
少子化を危惧し、2006年から恋愛と結婚を促すプロポーズや告白に最適な観光スポット「恋人の聖地」プロジェクトを指導。桂さんは同プロジェクトの理事として普及活動を推進し、現在では200以上の聖地を設置しました。多忙の中でも聖地に認定された土地に出向いていたのも記憶に残っています。
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