資生堂は、「SHISEIDO」ブランドを再構築する。これまでの「SHISEIDO」を冠とした各ブランド展開から、冠を外したブランド展開に変更する。既存の中核ブランド"グローバルブランド「SHISEIDO」"は今後、「SHISEIDO」の表記を唯一使用するブランドとして展開する。これに伴い、世界88の国と地域で展開するカウンターも刷新し、新生「SHISEIDO」として世界での訴求力を強めていく。
同社はこれまで「SHISEIDO」を冠としてグローバルブランド「SHISEIDO」や「エリクシール」「マキアージュ」「ベネフィーク」などを展開してきた。「『VISION2020』に向け、15〜17年はこれまでの事業を再構築する期間と位置付けていた。18年から大きな成長を遂げるためには、早い段階で中核ブランドを刷新する必要があった」(魚谷雅彦・代表取締役 執行役員社長 資生堂グループ CEO)ため、冠をはずしブランドを再構築することになった。
まずは、中核ブランドである「SHISEIDO」を刷新。"美しさは世界をよりよくする力である"という信念の下、"共感"をキーワードに�@ブランドをリフレッシュさせる�A新しいお客とつながる�B新戦略を実行すること、を主眼に置き展開していく。
具体的には、商品や宣伝ビジュアル、モデル、店頭カウンター、ブランドロゴを16年1月から順次刷新する。ブランドロゴには「SHISEIDO」に「GINZA」「TOKYO」を加える他、コーポレートマークである"花椿"も積極的に活用する。「東京・銀座発のブランドということを改めて世界に発信していく」(岡部義昭・執行役員 SHISEIDOブランドディレクター)。
また、宣伝ビジュアルについては、ニューヨークやパリのデザイン界で活躍するルバ・アブ=ニマを「SHISEIDO」のクリエイティブ・ディレクターとして起用。世界各国の女性から"共感"を生み出すことを狙い、3人のモデルを採用。16年1月から「アルティミューン」や新たに発売する新ファンデーションのビジュアルに起用する。ニマ=クリエイティブ・ディレクターは「これまでのビジュアルは商品が中心だった。今後は叙情的な表現も加えていく。3人のモデルには商品が自分たちにどのような価値を与えているかを表現してもらった」と述べた。
さらにニマ=クリエーティブ・ディレクターは、「SHISEIDO」の店頭カウンターも刷新する。白と赤を基調とし、「壁をなくし、360度どこからも入店できるのがポイント。スキンケアとカラーアイテムを融合した什器を採用。友人や販売スタッフとともに気軽に商品を試せるスペース(ソーシャルテーブル)も設けた」(ニマ=クリエーティブ・ディレクター)。什器はスキンケアやベース、カラーという商品の壁をなくしたもので、カラーやベースメイクなどは引き出し式を採用。全色が試せる仕様とする。同カウンターは、16年1月から世界88の国と地域で順次導入する予定で、日本では、百貨店の改装のタイミングに合わせて展開していく。