PROFILE: 大平彩華/アニメーター
クリエイターになるには、さまざまなルートがある。フォトグラファーやスタイリストであれば学校に通ったり、誰かに師事したりするのが一般的だろう。しかし、最近では技術をユーチューブで学び、作品をSNSなどで発表して独学のままデビューするなど、キャリアの築き方はそれぞれ。中には、思いもよらないきっかけから活路を見いだす場合もある。ここで紹介する2人は、好きなものへのピュアな思いを持ち続け、現在の職をつかんだ異色の経歴の持ち主だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月13日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
アニメーター・大平彩華の持ち味は、平成初期のマンガを思わせる作風にある。ここ5年ほどで急速にアーティストからのラブコールを集め、音楽ユニットのm-floやフィーメール・ラッパーのあっこゴリラなどのミュージックビデオを手掛けるほか、ヒップホップ・クルーのBAD HOPのライブでビデオエディターを務めてきた。2022年にはAIアーティストの草野絵美とNFTプロジェクト「新星ギャルバース」を発表。世界最大のNFTプラットフォーム「オープンシー(OpenSea)」の24時間ランキングで、一時は世界一位の取引総額を記録したほどの反響を得た。
「美大の存在も知らなかった」
独学で切り開いた独自の作画スタイル
大平は「20代になるまで、美大の存在すら知らないほどクソギャルだった」と話し、現在のクリエイターとしてのキャリアからは想像もつかない10代を過ごしている。「派手に生きて出身地の福岡で目立つ」ことを胸に、雑誌「エッグ(egg)」などに登場するモデルのようなギャルを目指して、週3ペースで日焼けサロンに通った。高校中退後は、アパレル企業のショップ店員として勤務を始める。「何かを作る人になりたい」という漠然とした思いから、いつか東京で商品企画職に就くことを夢見て選んだ仕事だった。
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