円安を背景に、訪日外国人客による消費額が伸び続けている。東京や大阪などでは、大手百貨店やラグジュアリーブランドの店舗に、世界各国の観光客が行列を作る光景がおなじみのものとなった。日本政府観光局によれば、2024年1~3月の訪日外国人客は856万人と前年同期比78.6%増、19年同期比でも6.3%増とコロナ禍前を上回っている。国別で見ると、韓国が232万人と首位で、台湾の147万人がそれに続き、中国本土は131万人と3位だった。
しかし、観光庁が発表している旅行消費額で見ると、同期間の総計1兆7505億円(1次速報値)のうち、中国本土はおよそ20.1%にあたる3526億円と首位に。以下、台湾は14.4%の2512億円、韓国は13.6%の2379億円と続く。また、これを買物代に絞って見ると、台湾の847億円、韓国の551億円と比べて、中国本土からの訪日客は1576億円と圧倒的に多額の買物をしていることが分かる。中国人観光客の1人あたりの買物額は平均29万3100円だった。
なお、「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」などを擁するLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)の24年1~3月期(第1四半期)決算は、売上高が前年同期比1.6%減(現地通貨ベースでは同3%増)の206億9400万ユーロ(約3兆4558億円)だった。地域別に見ると、日本を除くアジア太平洋地域が同6%減、日本は値上げがあったにもかかわらず同32%増と好調だった。これは、主に中国の消費者が日本などの旅行先でラグジュアリーグッズを購入しているためだという。
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