セブン-イレブン・ジャパンは5月25日、韓国コスメブランド「クリオ(CLIO)」の姉妹ブランド「トゥインクルポップ(TWINKLE POP)」を、「トゥインクルポップ バイ クリオ(TWINKLE POP BY CLIO)」の名称で5月25日から全国のセブン-イレブン約2万店舗で発売する。
同社では、韓国のスキンケアアイテムの取り扱いはあったが、メイクアップアイテムを販売するのは初。この新たな試みにセブン-イレブンはどのような可能性を見出すのか、遅澤明子セブン-イレブン・ジャパン商品本部 雑貨・出版部 雑貨マーチャンダイザーに聞いた。
来店客は男性が多く、若年層の取り込みに苦戦していた
WWD:「トゥインクルポップ バイ クリオ」導入の狙いは。
遅澤明子セブン-イレブン・ジャパン商品本部 雑貨・出版部 雑貨マーチャンダイザー(以下、遅澤):セブン-イレブンの中心来店客層は40代以上の男性が多く、若年層の取り込みを不得手としていた。若年層にはセブン-イレブンで化粧品を扱っていることさえ認知されてないのでは?と思い、今回韓国コスメの導入を決めた。
WWD:韓国コスメに商機があるのか。
遅澤:日本輸入化粧品協会によると2022年に韓国からの化粧品の輸入額が長年1位だったフランスを上回るほど韓国のコスメブランドに勢いがある。「トゥインクルポップ」は、韓国では発売後2カ月で全商品が完売したほどの人気ぶり。同ブランドを導入することで、若年層の来店動機になると期待している。
埼玉の一部店舗でテスト販売。Xではプチバズ起こる
WWD:1月からテスト販売を実施し、Xでは「トゥインクルポップ」が話題に。これに関する投稿が2000いいねを獲得するなどのプチバズを起こした。「セブンに行かなくては!」「アイシャドウが気になる」「明日セブンに行ってみる」などのコメントが相次ぎ注目を集めた。
遅澤:埼玉県内の約100店舗でテスト販売を行なったが、販促活動を一切していないにもかかわらず、SNSや口コミで情報が広がり想定を上回る実績を残した。埼玉をテスト販売の地域に選んだのは、都会と地方都市の中間的な位置づけであること、われわれも実際に店頭を確認できることからだ。
WWD:韓国と日本で展開するブランド名が異なる理由は?
遅澤:韓国では「トゥインクルポップ」で展開しているが、日本ではアイシャドウパレットやクッションファンデーションが支持されている「クリオ」の方がなじみのある人が多いだろう。「クリオ」と関係のあるブランドだということを全面的に出した方がより効果が出ると考え「トゥインクルポップ バイ クリオ」とした。
WWD:全国展開にあたり課題は?
遅澤:什器の配置が加盟店によって異なる点。什器は組み立て不要で、段ボールから出してそのまま陳列できるように、各店に届ける。加盟店向けの商品展示会を年に何回か開催しており、そこで効率的な配置やコツなどをレクチャーし、売り上げを最大化できるような発信をした。
セブン-イレブンのコスメブランド「パラドゥ」との棲み分け
WWD:既存のナショナルブランド「パラドゥ」との棲み分けは?
遅澤:「パラドゥ」は、万人受けする品ぞろえやカラー展開で、30〜40代の方を中心に支持を得ている。一方、「トゥインクルポップ」は発色の良いメイクアイテムや華やかなグリッターアイシャドウなどの少し攻めたアイテムを展開するので、若年層に向けてアプローチする。
WWD:競合他社の韓国ブランドは欠品が続出している。
遅澤:商品は欠品を起こさないように強気な商品量を調達した。コスメコーナーの商品数は1.5倍に、売り場は2倍に拡大する。今後は売れ行き次第だが、限定アイテムの販売なども検討したい。