「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ヴァンズ(VANS)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION)の2024年3月期決算は、売上高が前期比10.0%減の104億5460万ドル(約1兆6204億円)、営業損益は前年の3億2760万ドル(約507億円)の黒字から3400万ドル(約52億円)の赤字となった。純損益は、支払利息が増加したこともあり、同じく1億1850万ドル(約183億円)の黒字から9億6880万ドル(約1501億円)の赤字に転落した。
ブランド別での売上高では、「ザ・ノース・フェイス」が同1.7%増の36億7330万ドル(約5693億円)と微増だったものの、「ヴァンズ」は同24.4%減の27億8570万ドル(約4317億円)、「ティンバーランド」は同12.8%減の15億5690万ドル(約2413億円)といずれも2ケタ減収。「シュプリーム」が属するその他のブランド部門は、同0.7%増の18億2030万ドル(約2821億円)だった。
米国市場と卸が不調、株価も下落
地域別に見ると、北米市場と卸の不調が響いた南北アメリカの売上高は、同18.2%減の54億6490万ドル(約8470億円)だった。EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)は同0.5%減の34億2860万ドル(約5314億円)、アジア太平洋地域は同2.8%増の15億6120万ドル(約2419億円)だった。
業績不振が続く同社の株価は、23年8月には20ドル(約3100円)前後で推移していたものの、年末には18ドル(約2790円)前後となり、24年4月には12ドル(約1860円)前後に下落。決算を発表した5月22日の終値は12.33ドル(約1911円)だったが、その後の時間外取引で11.3%安の10.94ドル(約1695円)となった。
「シュプリーム」売却に関する言及は?
VFCは、2月に23年10〜12月期(第3四半期)決算を発表した際、傘下ブランドの見直しを開始したことを公表。5月には、情報筋の話として、同社がアドバイザリーに米投資銀行ゴールドマン・サックス(GOLDMAN SACHS)を選定してブランドポートフォリオ戦略の見直しを行っていると報じられたことから、「シュプリーム」の売却を検討しているのではないかとの臆測が広まった。しかし、今回の決算発表会では、本件に関する言及はなかった。