「ブルガリ イル・チョコラート(BVLGARI IL CIOCCOLATO)」(以下、ブルガリ)は、2007年に東京で誕生したチョコレートだ。イタリアの文化を反映したチョコレートは“チョコレート・ジェムズ(チョコレートの宝石)”として世界に広まり、今では、ブランドのアイデンティティーの1つになっている。「ブルガリ」は、さらに特別な“チョコレート体験”を届けるべく、ブルガリ ホテルズ&リゾートのグローバル メートル・ショコラティエであるジャンルカ・フストの指揮の下、チョコレート・ジェムズをリニューアルする。5月初旬、季節限定フレーバーなどの発表イベントのためにフストが来日した。
ミリ単位で追求する豊かな味わい
フストは、「ジュエリーのように、チョコレートにもアイデンティティーを持たせたい。イタリアらしさを大切しながら、日本の素晴らしい果物や野菜を使用したチョコレートを提案する」とコメント。10月にリニューアルするチョコレート・ジェムズは、厚さを8mmから1cmへ変更し、食材により2層のガナッシュと1層のガナッシュで構成を変えるという。また、コーティングに使用するチョコレートは、さらに口溶けを追求し、より豊かなフレーバー実現するそうだ。ミリ単位で味わいを追求する姿勢は、チョコレートのラグジュアリー・ブランドである証拠だ。
複雑なアロマが広がる季節限定のフレーバー
「ブルガリ」とイタリアで著名なパティシエであるフストがタッグを組んだのは19年。同年、来日した際に感動したのが、日本の果物のおいしさだった。チョコレート・ジェムズの季節限定フレーバーのテーマは果物。“アーリーサマー リモーネ”は、シチリアレモンのジェラティーナと広島レモンのチョコレートガナッシュの織りなす爽やかな味わい。レモンの表皮とジュース両方をジェラティーナに用いることで、深く複雑な味わいを実現している。“フラーゴラ”(6月20日発売)はイチゴのジェラティーナとエクストラバージンオイルが香るイチゴのガナッシュを組み合わせている。みずみずしいイチゴと、ジャムのようなほのかな甘さが相まって、とても美味しい。ジェラティーナとガナッシュ2層で構成されるチョコレートは断面も美しい。「異なる材料を用いて少しずつ果物のアロマが広がるように工夫した。また、ジュエリーのように色にも気を配っている」とフスト。
6月20日には、果物のおいしさを閉じ込めた新作フルーツゼリー“ジェラティーネ・アッラ・フルッタ”が登場する。パッションフルーツやピーチといった果物の自然な甘みと酸味が調和したどこか懐かしい味わいだ。
リゾットやバルサミコのおいしさをチョコレートで表現
以前からあるフレーバーをフスコが改良したものもある。ミラノ生まれの彼がリゾット・ミラネーゼ(サフランのリゾット)の思い出を表現したのが、“ザッフェラーノ エ マンドルラ”だ。大分産サフランのホワイトチョコレートガナッシュとホワイトアーモンドのジャンドゥーヤを組み合わせ、ビターチョコレートでコーティング。フスコは、「ビターチョコレートがまろやかな味をまとめる役目を果たしている」とコメント。
母が焼いてくれたオレンジケーキの味を表現したものが、“ミエーレ エ アランチャ”だ。オレンジの花のハチミツ入りのガナッシュをミルクチョコレートでコーティングした優しく華やかな味。日本では馴染みのないオレンジフラワーウォーターは、イタリア家庭では一般的なものだという。
イタリア名産品の一つであるバルサミコを使用したのが、“アチェート バルサミコ エ フィーキ”。18年熟成したバルサミコといちじくのミルクチョコレートガナッシュをビターチョコレートでコーティングしている。「素材の味をどれだけ引き出せるかが大切。一粒10グラムのチョコレートの中に、複雑な味と食感を閉じ込めて味わい深さを出している」。
果物や野菜などのチョコレートの素材は、チームが日本全国の農家を回ってベストなものを探している。イタリアの豊かな文化と日本のこだわりの素材が融合したチョコレートは、「ブルガリ」だから届けられる極上の味わい。チョコレートの宝石と呼ぶにふさわしい一粒だ。