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ショッピングセンターでも15万円のコートが売れる 「タケオキクチ」の百貨店にとらわれない出店戦略

ワールドグループのエクスプローラーズトーキョーが運営するメンズブランド「タケオキクチ(TAKEO KIKUCHI)」がマルチチャネル化を進めている。百貨店主販からショッピングセンター(SC)にも出店先を広げ、セカンドブランド「ティーケー タケオキクチ(TK. TAKEO KIKUCHI)」とミックスしたMDで提案の幅を広げる。グループ内で先行する海外展開においては、東南アジアで好感触を得る。

SCの上質化志向で
リーシングの引き合い高まる

従来は大人の男性がターゲットの「タケオキクチ」は百貨店向け、若者向けセカンドブランドの「ティーケー」はSCや駅ビル向けと、ブランドを明確に棲み分けていた。だが「タケオキクチ」は近年、出店チャネルをSCにも広げている。尾関修司エクスプローラーズトーキョー社長は「近年はMDの上質化を志向するSCが増え、『タケオキクチ』の(リーシングにおける)引き合いが高まっている」と背景を説明する。

現在、「タケオキクチ」の国内90店舗のうちSCが5店舗。ららぽーとTOKYO-BAY(千葉)、ららぽーと富士見(埼玉)、ららぽーと福岡、MARK IS みなとみらい(神奈川)、ららぽーと海老名(同)に店を出している。これらの店舗では「タケオキクチ」と「ティーケー」の商品を共存させている。

「われわれはこれまで、販路によって『売れる商品』『売れない商品』を決めつけすぎていた。SCだからといって、高い商材が売れないわけではない」。40周年を期に今春スタートした「タケオキクチ」の最上位レーベル“ザ・フラッグシップ(THE FLAGSHIP)”は、百貨店店舗だけでなくSC店舗にも導入している。「(“ザ・フラッグシップ”の)15万円のコートもSCで売れている。大事なことは百貨店と変わらず、丁寧な接客を通じて商品のクオリティーを伝えることだ」。

「タケオキクチ」は男性向けギフトとして、女性客の需要も大きい。百貨店店舗では女性客比率が平時で3割、クリスマスシーズンは7割に達する。SC店舗でもギフトニーズを刈り取れている。

タイのエグゼグティブに支持
50万のオーダースーツまとめ買い

東南アジアでは14店舗を構える。ビジネスチャンスが大きいのは、2017年から現地の流通大手・サハグループと組み、9店舗を出しているタイだ。すでに現地では認知が一定程度浸透しており、ブランドイメージもいい。マスボリューム層からも幅広く人気の日本と比較して、タイでは高級官職や資産家などの富裕層が顧客リストに連ねるなど、エグゼグティブ層からの支持がより厚い。青森・弘前の提携工場で作る「ジャパンメイド」を前面に謳ったオーダースーツの販売会が好評で、「客単価も非常に高く、1点あたり50万円程度するスーツを3着程度まとめ買いするお客さまもいらっしゃる」という。

海外での知名度向上により、国内店舗も恩恵を受けている。東京・渋谷明治通り本店はインバウンド客の比率が4割に達した。

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