オンワード樫山のニットシューズブランド「ステッピ(STEPPI)」が、一昨年のスタートから累計10万足を販売するなど好調だ。ナンバーワンヒット商品の“ベーシックポインテッドパンプス”(7990円)に代表される軽量、はっ水、洗濯機洗い可能といった機能性や扱いやすさが、働く女性やママの支持を得ている。同ブランドは22日、“医療従事者向け”をうたう新作ニットシューズを発売。これが一般消費者にも手にとってほしい秀逸なプロダクトに仕上がっている。
エッセンシャルワーカーのための機能は
ママやシニアにとっても心強い
新発売した“多機能ニットシューズ”(9990円)は上で挙げた「ステッピ」の基本機能に加えて、「抗菌防臭ソール」、「絶対にすべらないアウトソール(靴底)」、「手を使わずに脱ぎ履きできる」という3つの新機能を搭載した。常にクリーンな状態を保たなければならない医療現場では、手を使って脱ぎ履きすれば都度消毒する必要が出てくるし、滑って転倒すれば重大な事故にもつながりかねない。まさに人命を預かるエッセンシャルワーカーのための一足だ。
だがその合理的な機能性とルックスは、日常シーンでも多いに役立つはず。特に「手を使わず脱ぎ履きできる」という点は魅力的。妊娠中の女性や膝に不安を抱えるシニアは靴を履くためにしゃがむ負担が解消されるし、育児中のパパ・ママにとっても、子供を抱えたままスポっと履けるのはありがたい(サイズ展開は22.0〜28.0cmで男女兼用)。
「サンダルやスリッポンを履けばいいのでは?」というツッコミが入りそうだが、カジュアルすぎてそうはいかない職場やシーンは意外と多い。3年前に発売した「ナイキ(NIKE)」のハンズフリースニーカー“ゴー フライ イーズ”もちょっとスポーティー感が強い。その点、シンプルでオーセンティックなデザインの「ステッピ」のニットシューズは活躍の場が広そうだ。
趣味のウインタースポーツで負傷も
新作ニットシューズなら脱ぎ履き楽チン
だが、本当に手を使わず脱ぎ履きできるのだろうかーー?そんな疑問に応えてくれたのが「ステッピ」の山本洋輔MDだ。(だいぶ前の話になるが)このニットシューズが関係者向けにお披露目された昨年12月の展示会で、山本MDはなんと松葉杖をついて登場。ギブスでがっちり固定された片足のワケを聞けば、趣味のウインタースポーツで「やってしまった」と苦笑い(現在は完治)。
なんともタイムリー(?)なので、松葉杖で両手の塞がった山本MD自ら“実証”してもらった。すると、足をぐりぐりねじ込むことなく、つま先を「トントン」することもなく、滑らかに足が収まった。記者の不安が杞憂であることを満身創痍で証明してくれた山本MDに、思わず拍手。
「医療現場の足元に選択肢を」
厳しい環境にも応えられる自信作
「医療従事者の装いに関して言うと、白衣に関しては色や機能などを含めてバリエーションが充実している。しかし足元については本当に選択肢が少ないのが現状だ。(新発売のスニーカーは)整形外科の先生と5、6回を打ち合わせを繰り返した末に完成した、医療現場の厳しいリクエストに応えられる自信作。だからこそ、医療従事者以外の方にも履いていただき、その機能性を実感していただきたい」(山本MD)。
“多機能ニットシューズ”は、同社のOMO型ブランド複合店舗「オンワード・クローゼット セレクト(ONWARD CROSSET SELECT)」をはじめ全国約200の実店舗と、公式EC「オンワード・クローゼット」で購入できる。