カザフスタン・アルマティで、ビザ・ファッション・ウイーク・アルマティ(Visa Fashion Week Almaty)が現地時間5月1〜3日に行われた。中央アジア最大となるファッションの祭典は今季で9回目を迎え、リッツ・カールトン・ホテル(The Ritz-Carlton)をメイン会場に、3日間で15ブランドがショーを開催した。シーズンごとに規模を拡大しており、今季は各日約400人のゲストが来場。地元アルマティと首都アスタナ、近隣国ウズベキスタンやジョージアからも、デザイナーやコンテンツクリエーターが集まり、この日のための一張羅をまとって会場外を華やかにした。
来場者の装いは、ランウエイルックのようなボリュームと、装飾をふんだんに盛り込んだパーティールックが目を引いた。トレンドは“バレエコア”が大本命で、レースやクロシェ編み、リボンモチーフ、フリルをティアード状に重ねたドレスやスカート、パールのネックレスによる甘くロマンティックな世界観が目立った。着用率が高かったのは、カザフスタン発ブランド「ズサケン(ZHSAKEN)」と「キルピ(KIRPI)」で、ファストファッションブランドの製品にレースやフリルを付けて、自己流のアレンジを加えたという来場者も多かった。
バッグは「プラダ(PRADA)」や「シャネル(CHANEL)」といったラグジュアリーブランドに加えて、「ディーゼル(DIESEL)」も高い人気だった。また、パーティー仕様の服装に合わせた、エスニック調のヘッドアクセサリーや、複雑な編み込みなど、独創的なヘアスタイルも印象的だった。遊牧民族の歴史的背景を持つカザフスタンでは、ヘアスタイルは所属する部族や社会的地位、アイデンティティを示すものとされ、特別な日にはファッションの一部として個性的なヘアアレンジを施すのが一般的だという。ヘアとメイクを含め、特別な日のためにドレスアップを楽しむ来場者の姿は活気に満ちあふれ、ファッションのエネルギッシュなパワーを感じられた。