PROFILE: 小池徹/日本ロレアル 応用研究領域 フォトプロテクション プロジェクトリーダー兼フォトプロテクショングローバルエキスパート
ビューティ企業の競争力の源泉であるR&D(研究と開発)。本連載では、普段表舞台に出てくることは少ないが、まさにR&Dの中核を担う研究員たちに仕事の醍醐味を聞く。第7回は日本ロレアルのリサーチアンドイノベーションセンター スキンケア応用領域研究所で、日焼け止めの処方研究を専門とする小池徹フォトプロテクショングローバルエキスパートに話を聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」5月27日号からの抜粋です)
WWDBEAUTY(以下、WWD):フォトプロテクション領域の仕事とは?
小池徹 日本ロレアル スキンケア応用領域研究所フォトプロテクショングローバルエキスパート(以下、小池):誰もが毎日使いたくなるような日焼け止めのレシピ(処方)を作ることがミッションだ。日焼け止めを構成する要素は、紫外線から肌を守る「防御機能」と実際に肌に塗ったときに感じられる「タッチ(使用感)」、そして「仕上がり」。当社には数多くの日焼け止め商品があるが、そういった個別の商品開発よりも一つ上のレイヤーで、この3つの要素の黄金比を追求すべく日々研究・検証を繰り返している。
WWD:日焼け止めのレシピのキモは。
小池:「防御機能」と「タッチ」「仕上がり」は基本的にトレードオフだ。日焼け止めの防御機能は主に「紫外線吸収剤」や「紫外線散乱剤」によるものだが、多く配合すればするほど、塗布したときに重く感じられ、白浮きしやすくなる。また、SPF50の日焼け止めでも、塗りムラが多いと本来の防御機能を発揮できない。誰が、いつ、どんな場面で塗布したとしても均一に塗れるテクスチャーでなくてはならない。その時代に求められる防御機能や使用感、機能の最高のバランスを考え「デザイン」する考え方が重要だ。
WWD:ユーザーのニーズは変わる?
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