ファッション
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第116回

「合成」や「人工」って、そんなにネガティブなイメージですか?

有料会員限定記事

「合成」や「人工」って、そんなにネガティブなイメージですか?

上の記事にある通り、今後は「ビーガンレザー」や「マッシュルームレザー」「サボテンレザー」に「アップルレザー」などの言葉は、憚られそうです。グリーンウオッシュと呼ばれない対策も必要です。

では「○○レザー」はこれから、どう呼ぶべきなのでしょう?記事には「JISの規定では、植物由来で革の質感を再現した素材は『合成皮革』『人工皮革』に分類される」とありますから、「合成皮革」や「人工皮革」と称することは可能なわけです。となると「ビーガンレザー」は「植物由来の合成皮革」、「アップルレザー」は「リンゴ由来の人工皮革」という表記になるでしょうか?ファッションやビューティ業界はカッコいい言葉を開発するのが得意ですから、しばらくすると代替の言葉が生まれて普及するようになるのかもしれませんが、当面は「合成皮革」「人工皮革」という言葉が改めて使われるようになりそうですね。

ここで思うのは、「合成」や「人工」って、そんなにネガティブなイメージを伴う言葉だったっけ?という根本的な問題です。元来「合成」とは、「二つ以上のものを合わせて一つの状態にする」こと。そして「人工」とは、「人間の手で自然と同じようなものを作り出したり、自然と同じような現象を起こさせたりすること」。特にネガティブな意味はありません。でも、我々はこれまで「合成皮革」や「人工皮革」という言葉を避け、「ビーガンレザー」や「マッシュルームレザー」「サボテンレザー」に「アップルレザー」という言葉を使っていたワケです。この深層心理には、「合成」や「人工」という言葉にネガティブなイメージがあるから、避けたかった人もいたのでしょう。

この続きを読むには…
残り1017⽂字, 画像1枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。