米国市場における“サステナブル・ビューティ”は、先進的な欧州にいまだ遠くおよばない。消費者の意識や行動は大幅に変化しているものの、国レベルでの規制がないことや、サステナビリティに関する定義のあいまいさが進化を阻めているのだ。グリーンウォッシュ(実態を伴わないにもかかわらず、環境に配慮していると誤った印象を与える行為)も大きな問題となっており、消費者が自信を持ってサステナビリティに取り組むことを阻害している。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
グローバルブランドが米国市場に参入する場合、欧州のサステナビリティ基準をそのまま用いていることが一般的だ。米ブランドが欧州市場に商品を輸出する場合も、リサイクル性や化学薬品の使用などについて欧州の環境規制に準拠する必要があるため、最初から欧州基準を適用し、オペレーションの簡便化を図っていることが多い。
前述のように、米国では国レベルでの規制や定義がないため、各企業はサステナビリティについて場当たり的な対応になってしまいがちだ。CSR目標を達成しなければという意欲をもって各社を突き動かすのは、有害な成分のない商品を使いたいという消費者による“クリーンビューティ”の需要だろう。
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