米国の化粧品市場は、長らくサステナビリティに関してほぼ規制がない状態だったが、ここ数年で変わりつつある。2022年に採択された化粧品現代化規制法(以下、MOCRA)は、ビューティおよびパーソナルケア商品もアメリカ食品医薬品局(以下、FDA)の監督下に置くもので、化粧品業界にとって1938年以来の大幅な法改正となった。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
FDAはこれまで、安全でないと見なした商品についてメーカーに任意のリコール実施を要求する権限しかなかったが、本規制によってリコール実施を強制できるようになったほか、フレグランスに含まれる一般的なアレルゲン情報の開示をメーカーに義務付けた。当初は23年12月に発効する予定だったが、オンライン登録プラットフォームの導入に問題があり、24年7月1日に変更された。
いずれにせよ、業界関係者の多くはこの規制が十分ではないと考えている。特にビューティ商品に含まれている化学物質の中には、安全性が確かでないものも多いからだ。しかし、欧州連合(EU)で1600の化学物質が禁止されているのに対し、米国ではそのうちのほんの一握りしか禁止されていない状態となっている。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。