「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「シュプリーム(SUPREME)」などを擁するVFコーポレーション(VF CORPORATION以下、VFC)は、同じく傘下に持つ「ヴァンズ(VANS)」のグローバル・ブランド・プレジデントとして、ルルレモン・アスレティカ(LULULEMON ATHLETICA以下、ルルレモン)の最高製品責任者を務めていたミシェル(“サン”)・チョー(Michelle “Sun” Choe)を任命した。7月下旬に就任する予定。
前任のケヴィン・ベイリー(Kevin Bailey)前グローバル・ブランド・プレジデントが2023年10月に退任した後は、ブラッケン・ダレル(Bracken Darrell)VFC社長兼最高経営責任者(CEO)が「ヴァンズ」のトップの役割も担っていた。
チョー新グローバル・ブランド・プレジデントは、メリーランド大学(University of Maryland)を卒業。リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS)、ギャップ(GAP)、ゲス(GUESS)、アーバンアウトフィッターズ(URBAN OUTFITTERS)などでキャリアを積み、メイドウェル(MADEWELL)とウエストエルム(WEST ELM)でシニア・バイス・プレジデントなどを務めた。15年に、マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)のチーフ・グローバル・プロダクト・マーチャントに就任。16年にグローバル・マーチャンダイジング部門シニア・バイス・プレジデントとしてルルレモンに加わり、18年から24年5月まで最高製品責任者を務めた。
ダレルCEOは、「サンは消費者インサイトに造詣の深い、力強いリーダーだ。ブランドを盛り上げ、それを収益につなげる実績を持っており、『ヴァンズ』を次の段階へと導いてくれるだろう。今回の人事により、VFCはリーダーシップチームをさらに強化し、全てのブランドの成長を促進することで、株主やステークホルダーにとっての価値をいっそう高められたと確信している」と語った。
チョー新グローバル・ブランド・プレジデントは、「『ヴァンズ』は豊かな歴史と熱心なファンを持つ、素晴らしいブランドだ。クリエイティビティーと、信頼できる“本物”であるというブランドのアイデンティティーを生かし、世界中の消費者と意義のある長期的なつながりを築いていきたい」と述べた。
23年は親会社も「ヴァンズ」も2ケタ減収
VFCの2024年3月期決算は、売上高が前期比10.0%減の104億5460万ドル(約1兆6413億円)、営業損益は前年の3億2760万ドル(約514億円)の黒字から3400万ドル(約53億円)の赤字となった。純損益は、支払利息が増加したこともあり、同じく1億1850万ドル(約186億円)の黒字から9億6880万ドル(約1521億円)の赤字に転落した。
ブランド別での売上高では、「ザ・ノース・フェイス」が同1.7%増の36億7330万ドル(約5767億円)と微増だったものの、「ヴァンズ」は同24.4%減の27億8570万ドル(約4373億円)、「ティンバーランド」は同12.8%減の15億5690万ドル(約2444億円)といずれも2ケタ減収。「シュプリーム」が属するその他のブランド部門は、同0.7%増の18億2030万ドル(約2857億円)だった。