企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は国内アパレル専門店売上高第2位のしまむらの儲けの秘訣を探る。
アパレル企業にとって、できるだけ値下げをせずに商品を売り切ることこそ、利益を確保するうえで重要であることは言うまでもありません。そこで今回は、業界内で、最も上手に値下げコントロールを実践している企業の1つと言える、しまむらの決算書を読み解いてみましょう。
「ファッションセンター しまむら(以下、しまむら)」を基幹事業とする同社は、消費者に低価格で商品を提供するために、売上原価率は60%台後半、粗利率は30%台前半とする薄利多売型のチェーンストアです。そのため、郊外の路面店は自ら物件を取得するなどして家賃負担を軽減し、なおかつ、少ない人員で大型店舗を回せるよう、マニュアル化によって作業を簡素化してできるだけ人件費がかからないようにするなど、ローコストオペレーションに徹して販管費を抑えて利益を残すビジネスモデルです。
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