シャネル(CHANEL)が2023年12月期決算を発表した。コロナ禍後の爆発的な需要増に支えられていたラグジュアリー消費の“正常化”により、売り上げが低下するブランドも多い中、同社は14%増収と2ケタ成長を維持。度々の値上げにもかかわらず、順調に業績を伸ばしている。一方で、5月に披露した25年クルーズ・コレクションはSNS上で賛否両論に。その直後の6月5日、ヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)=アーティスティック・ディレクターの退任が発表された。ここでは、潤沢な資金を元に長期的な戦略を策定し、進化し続ける同社の最近の動向をまとめた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月10日号からの抜粋です)
シャネルの2023年12月期決算の売上高は、前期比14.6%増の197億4400万ドル(約3兆998億円)、営業利益は同10.9%増の64億700万ドル(約1兆58億円)、純利益は同3.0%増の47億3200万ドル(約7429億円)だった。
地域別の売上高では、欧州が同18.8%増の56億600万ドル(約8801億円)、アジア太平洋地域は同17.7%増の101億7800万ドル(約1兆5979億円)、南北アメリカは同2.6%増の39億6000万ドル(約6217億円)だった。
同社は上場しておらず、部門別での売り上げなどを明らかにしていないが、全部門が全ての地域において22年度を上回ったという。ファッション部門は、特に好調だったウエア、レザーグッズ、シューズが業績をけん引。ウオッチ&ジュエリー部門は、6月に発表した新作のハイジュエリーコレクション“ツイード ドゥ シャネル”や、タイムレスなアイコンウオッチ“プルミエール”が好調だった。フレグランス&ビューティ部門は、外出が増えたことによるメイクアップ用品の需要や、トラベルリテールの回復が業績を後押しした。
また、23年は新たに47店をオープンし、総店舗数は612店に。新店のうち31店がフレグランス&ビューティの専門店、16店がファッション、ウオッチ&ジュエリーの店舗だった。
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