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「マイケル・コース」の親会社カプリ、23年は赤字転落 タペストリーによる買収は停滞中

マイケル・コース(MICHAEL KORS)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」の親会社カプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)の2024年3月期決算は、売上高が前期比8.0%減の51億7000万ドル(約8065億円)、営業損益は前年の6億7900万ドル(約1059億円)の黒字から2億4100万ドル(約375億円)の赤字に、純損益も6億1900万ドル(約965億円)の黒字から2億2900万ドル(約357億円)の赤字となった。

ブランド別に見ると、特にアジア太平洋地域や南北アメリカで不調だった「マイケル・コース」の売上高は同9.2%減の35億2200万ドル(約5494億円)だった。ラグジュアリー需要の低下の影響を受けた「ヴェルサーチェ」は同6.9%減の10億3000万ドル(約1606億円)、「ジミー チュウ」は同2.4%減の6億1800万ドル(約964億円)といずれも減収だった。

ジョン・アイドル(John Idol)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「世界的なラグジュアリーグッズ需要の落ち込みもあり、期待外れの業績となった。小売りは回復の兆しがあるものの、卸は引き続き難しい状況だ」と述べた。

タペストリーによる買収は停滞中

同社は23年8月、「コーチ(COACH)」「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」「スチュアート・ワイツマン(STUART WEITZMAN)」を擁するタペストリー(TAPESTRY)による買収に合意している。取引が完了すれば年商120億ドル(約1兆8720億円)の巨大ファッションコングロマリットが誕生するが、米連邦取引委員会(FTC)は24年4月、本件を停止する仮処分を求めて訴訟。裁判は現在も進行中で、タペストリーが“アクセシブル ラグジュアリー(Accessible luxury)”と呼ぶ市場の範囲や定義が争点の1つとなっている。

これに対し、年内の取引完了を目指すタペストリーのジョアン・クレヴォイセラ(Joanne Crevoiserat)CEOは、本件を前進させるために闘う用意があると発言。「本取引の利点に自信を持っており、法廷で主張するのを楽しみにしている。取引の完了に向け、迅速に物事を進めることが重要だ」と説明した。

今回の決算発表会で、アイドル会長兼CEOも、「保留となっている本取引を完了させるべく、タペストリーと共に法廷で精力的に闘う」と述べた。なお、本取引が保留となっていることから、カプリは24年度の業績に関する見通しは発表しなかった。

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