懐かしいムードのドット柄がトレンドモチーフに復活してきました。甘くてかわいいイメージが強かったのは昔の話。今シーズンは、かっこよさやセンシュアル、パワフルといったイメージを打ち出す着こなしが提案されています。パリ・ミラノコレクションの新作ルックとセレブリティーのおしゃれスナップから、“ネオ・ドット柄”の傾向をキャッチしていきましょう。
例えば「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は、ドレッシーな装いに不規則なドット柄を取り入れました。スカートはドット柄から素肌が透けて見えるシアーな演出。ロンググローブやバッグにもドット柄をあしらい、アートのオブジェのようなコーディネートに整えました。甘さを遠ざけたドット使いを象徴するスタイリングです。
シアーな服に動きをプラス
「プラダ(PRADA)」は、シアー素材にドット柄を散りばめました。全体は黒でシックな印象ですが、大きめのドット柄が動きを演出し、きらきらとしたディテールがリッチさを添えています。透ける素材は素肌の見え具合が気になりがちですが、目を引くドット柄が視線をそらす効果も発揮しています。
大小ドットでめりはりを演出
上下でドットの大きさを変えると、めりはりが生まれます。「バルマン(BALMAIN)」は、シャツとプリーツスカートの両方にドット柄をあしらいました。スカートに配したやや大きめのドット柄が、優美なフレアを引き立てています。一方で、トップスはコンパクトなドットをオン。端正なテイラードジャケットに、ドット柄が柔らかいムードを添えています。
ストライプ×ドットの競演
別の柄とミックスする“柄×柄”のスタイリングも提案されています。「エトロ(ETRO)」は、ドット柄とストライプ柄をマリアージュ。ストライプ柄のシャツに、全体をうっすらドット柄で埋め尽くしたピンクドレスを重ねました。ドレスのスリットからのぞくジャガード織りの裏地のドットも華やかさをプラス。明るい色のコンビネーションで、弾むようなドレスルックに仕上げました。
特大ドットでアートフルに
「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」のイベントに参加したモデルの長谷川ミラが着用したのは、特大のドット柄がポップで楽しげなトップス。不規則に配したビッグモチーフが目を引きます。トップスが主役なので、ボトムスはミニマルに整えて。これからの季節に役立つ着こなしです。
センシュアルさを引き立てる小粒ドット
パリファッション・ウイークでは、「ミュウミュウ(MIU MIU)」のシアーワンピースをまとったファッショニスタをキャッチ。ドット柄が素肌感を引き立てる“ヘルシー×センシュアル”なスタイリングです。シースルーの透け感をドット柄がほんのりカムフラージュしつつ、ダークトーンでミステリアスな風情に。透け具合が気になる場合は、インナーにタンクトップやブラトップ忍ばせたり、上からジレを羽織ったりすれば、透け感をトーンダウンし、ドット柄との響き合いを生かせます。
強さを秘めた大胆ドット
テレビ司会者のジーニー・メイ(Jeannie Mai)は、ドット柄がアイキャッチーなパフスリーブのブラウスをまといました。大ぶりのドット柄がダイナミックで、潔い雰囲気。ドットならではの丸みを生かしつつも、強くて優しい、こびない女性像をほうふつとさせ、装いにパワーや自信をもたらしています。デニムのショートパンツとウエスタンブーツで注目のカウガール風に仕上げました。
これまでの愛らしいイメージを離れて、自分好みにセルフプロデュースするのが今のドット柄の使い方。ドラマチックなタイプが増え、狙った印象をかなえやすくなってきました。強さやアートな雰囲気を醸し出しながらも、もともとのキュートさや朗らかさもまとえるのが“ネオ・ドット柄”のよさ。サマールックにもなじみやすいドット柄は、これからのシーズン注目度大です。