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コーセーが山梨県と連携、水由来エネルギーの“地産地消モデル”構築に着手

コーセーは14日、国内生産工場3拠点目となる山梨県の「南アルプス工場」の建設に伴い、生産子会社のコーセーインダストリーズと山梨県の3者で、山梨県の豊かな水資源を活用しながら持続可能な社会の構築に向けた連携について基本合意した。地域で生み出すエネルギーを活用した地産地消モデル工場として、カーボンニュートラル社会の実現と地域の活性化に取り組む。なお、スキンケア商品を中心に生産する南アルプス工場は、2024年7月に着工、26年上期中の稼働を目指す。

主な取り組みは、国内初の事例となる工場の建設段階から県営の水力発電所から供給されたCO2フリー電力を活用。また、米倉山電力貯蔵技術研究サイト(甲府市)が水素発生装置“やまなしモデルP2Gシステム”で製造した再生可能エネルギー100%のグリーン水素を、工場の熱エネルギーの燃料として利用する。工場の建設は鹿島建設が手がける。

19年に発表した南アルプス工場は、「清く澄んだ南アルプスの水を化粧品に活用し、コーセーのサステナブルな活動を象徴する工場」(小林一俊コーセー社長)として21年の稼動を予定していたが、コロナ禍の影響で数年間足踏みを余儀なくされた。しかし、「ピンチの後はチャンスあり、この期間に山梨県が取り組む地産地消の水由来のエネルギーと巡り合うことができた。新しい技術を通じて社会課題を解決する、良きパートナーとして歩みを進められるよう双方の発展に期待したい」と述べる。

コーセーインダストリーズの小林正典社長は、「山梨県の皆さまには全面的にご支援をお願いするとともに、水由来のエネルギー利用による地産地消モデル、工場として国内外の普及啓発、将来的な人材育成の場としての提供において協力していきたい」と話す。

山梨県では、グリーン水素の利用拡大を通じ、カーボンニュートラル社会の実現を積極的に推進しているという。長崎幸太郎・山梨県知事は、「山梨県全体のブランド価値を体現する南アルプス工場は先進的かつ高付加価値なモデル工場として、新たな企業の誘致など県内経済の発展に大きくつながると確信している。両社との連携で、脱炭素化に向けた国内外の流れをともにリードしていきたい」と意欲を燃やす。南アルプス工場では、山梨県へのUIJターン希望者も募り、地元定着の促進も図る。

南アルプス工場は、需要の変化や生産能力の増強に対応可能な、スキンケア商品を中心とした「多品種生産工場」として稼働する。敷地面積は約11万1500平方メートルで従業員は300人を予定。投資額は250〜300億円。

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