イタリア・フィレンツェでメンズの見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO以下、ピッティ)」が6月11〜14日に開催された。第106回となる今シーズンは“ピッティ・レモン(PITTI LEMON)”をテーマに掲げ、会場フォルテッツァ・ダ・バッソはレモンカラーに染まった。ビビッドな会場装飾とは対照的に、来場者は2024年春夏シーズンのキーカラーであるサンドやエクリュ、モスグリーンといったアースカラーにホワイトを合わせるなど、トスカーナ地方の自然風景を反映したようなカラーパレットに身を包んだ。
イタリアのファクトリーブランドを中心とした“イタリアン クラシコ”の祭典として知られる「ピッティ」だが、来場者の装いは徐々に変化しており、クラシックを“ほぐす“アイデアが満載だった。例えば、伝統的なサルトリア仕立てのジャケットにショーツやバギーパンツや、ゆったりとしたスラックスを合わせたり、インナーのシャツはボタンを外して胸元を大きく開けるか、Tシャツでスタイリングして程よくカジュアルに着崩したり。新たな潮流は、今季のトレンドの一つであるウエスタンスタイルを取り入れた装いだ。ハイウエストのフレアパンツに、バックルに装飾金具を取り付けたベルト、首周りをバンダナで飾り、ストローハットの代わりにカウボーイハットを被って、クラシコとウエスタンを融合させる。また、ゲストデザイナーとして6月12日にショーを開催した「マリーン セル(MARINE SERRE)」で全身スタイリングする来場者もいた。ここ数年は“イタリアン クラシコ”以外のジャンル開拓を模索するに「ピッティ」だけに、来場者の顔ぶれと装いにも少しづつ変化が起きているようだ。