アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)新クリエイティブ・ディレクターが率いる「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は6月17日、2025年リゾート・コレクションを発表した。4月2日に着任したばかりのミケーレは、9月のパリ・ファッション・ウイークで披露する25年春夏コレクションでデビューを飾る予定だった。しかし、10月に店頭に並ぶ25年リゾート・コレクションを発売前に披露するべきだと「直感的に決断」し、急遽ルックブックを発表することにしたという。なお、25年春夏コレクションのショーは、予定通り9月29日にパリで開催する。
今回、ミケーレは、メンズおよびウィメンズの171のルックを収めたルックブックと、アクセサリーをまとめた別のルックブックを発表。米「WWD」との特別インタビューで、同氏は「『ヴァレンティノ』は魔法のようなブランドで、1日目から何か特別なことが起きるという予感に包まれた。ヴァレンティノ(・ガラヴァーニ創業デザイナー)のアーカイブを深く掘り下げ、チームと共に時間を忘れ、愛情を込めて制作に没頭した。そうして作り上げたコレクションを秘密にしておくのは不自然だと思い、チーム全体の仕事に敬意を表する意味も含め、発表することにした」と語った。
「全く新たなクチュール体験をするのが待ち切れない」
25年リゾート・コレクションは、1970~80年代の影響を感じさせつつ、華やかなフリルやスパンコール使い、繊細な刺しゅう、大胆なフローラルプリントなど、“ミケーレらしさ”とブランドコードを融合。「どれほど難しい注文をしても、裁縫師や職人たちが見事に応えてくれる。まるで金の鉱脈を掘り当てた気分だ」とアトリエを称賛し、「全く新たなクチュール体験をするのが待ち切れない」と話した。
ミケーレは、2015年1月に「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクターに就任し、22年11月に退任。その後、家族との時間を楽しんだが、好きな仕事ができる喜びを再認識したという。「自由とは、好きなことを行うためにあると気付いた。デザイナーという仕事を選んだのは、それが私の一部だから。愛する仕事をしないのは、自由でないということだ。私は仕事を通して、再び自分を見つけた」。