百貨店の10月度は、引き続きインバウンド(訪日外国人客)による購買が活発で、免税売上高が2倍以上になった店舗も多かった。免税対象が化粧品などに拡大されたのが昨年10月で、すでに一巡しているが、国慶節(10月1〜7日)の中国人観光客が前年以上に増えた。国内の富裕層による購買も堅調だった。高島屋は日本橋店が前年同月比113.3%、大阪店が同110.5%。日本橋店は10月7日に開店した時計別館「タカシマヤ ウオッチメゾン」が月末までに7億円強を売り上げた。大丸松坂屋百貨店は大丸心斎橋店が同118.4%。同店はインバウンドに加え、年末の本館の閉店に向けた「売り納めセール」のかさ上げ効果が大きかった。三越伊勢丹は三越銀座店が117.8%。同店は5年ぶりの改装効果で集客力が増した。阪急阪神百貨店は、阪急うめだ本店が同114.4%。免税売上高が3倍になったことに加え、秋に改装したメンズ大阪で高額品が売れた。
主要百貨店ごとの10月度販売は、三越伊勢丹が同104.7%、高島屋が同107.0%、そごう・西武が同103.0%、大丸松坂屋百貨店が同104.8%、阪急阪神百貨店が同106.2%だった。前年に比べて休日が1日多く、また前年は大型台風が2回上陸した影響で客足が落ちていため、実績を上回る店舗は多かった。