アシックスの2014年12月期決算は、欧米でのランニングの好調がけん引し、好業績を達成した。当期から決算期を3月末から12月末に変更。9カ月間の変則決算となるため、前年の比較対象期間に組み替えると、売上高3540億円(前年同期間比119.8%)、営業利益304億円(同109.5%)、経常利益343億円(同118.9%)、純利益222億円(同124.5%)となった。なお円安による為替影響で売上高は229億円の増収効果があったが、それを差し引いても354億円の増収(同112%)だった。
世界的なランニングブームを背景にシューズが堅調に推移したのが好調の要因。売上高は米国が同122.3%、欧州が同124.2%、中国をはじめとした東アジアが同152%だった。海外の売上高は約2850億円(同124.5%)まで伸長し、売り上げ全体の海外比率は80.5%にまで高まった。尾山基・社長は「(13年は69%、昨年は77%だったが)個人的にはさらに海外の売り上げ比率を高めたい。他業界には85?90%まで高めている企業もある。欧米はもちろん、人口やGDPなど急速に成長する新興国での存在感を高めていきたい」と話す。一方で、シューズの売り上げ構成比は全体の79.9%、海外に至っては84.3%まで引き上がったことで、シューズへの依存度の高さが顕著になった。しかし、「アパレルの比率を伸ばしていくことが今後の課題でもあるが、3?4年前に比べると先進国を中心に反応が出始めている」と尾山社長は手応えを感じている。
15年12月期は、売上高4230億円、営業利益330億円、経常利益320億円、純利益210億円を計画する。世界3位のプーマ(約4483億円)を射程圏内に捉える構えだ。