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ライトオンの14年8月期は7期連続減収 若年層へのアプローチが裏目に

 ライトオンの2014年8月期決算は、売上高758億4800万円(前期比90.8%)、営業利益17億4300万円(同49.3%)、経常利益16億5200万円(同48.3%)、当期純利益4億2100万円(同25.0%)だった。7年連続の減収、大幅減益となった。

 当期は「ライトオン イーエックス(RIGHT-ON.EX)」などのプライベートブランドを拡充し、従来のターゲット層より若年層向けのMDでアプローチしたが、「思うような結果が出せなかった。若年層向け商品に偏り過ぎて、お客さまのニーズと乖離してしまった」と横内達治・社長。20代の顧客にはある程度評価されたものの、強みである"アメカジらしさ"が希薄になったVMDにより、コアターゲットである30〜40代の客足が遠のいた形だ。また消費増税に対しても「消費マーケットが芳しくない中で、少なからず影響があったと肌感で感じている」と分析した。既存店売上高の前年比は4月は97.4%と持ちこたえたものの、5〜8月にかけては80%台に低迷した。

 今期は、コアターゲットである30〜40代に向けて再びアプローチする。ビジュアルイメージも"アメカジ&サーフ"がメインテーマ。併せて品ぞろえも、デニムの「リーバイス(LEVI'S)」「エドウイン(EDWIN)」「ジースターロウ(G-STAR RAW)」、ミリタリーの「アヴィレックス(AVIREX)」や「アルファインダストリーズ(ALPHA INDUSTRIES INC)」など、コアターゲットと親和性の高いテイストやブランドに注力していく。NB(ナショナル・ブランド)との関係性も強化。「リーバイス」や「エドウイン」から社員を招き、販売力を向上するための全国店長研修を実施。また、低価格戦略を軸とするファスト・ファッションに対抗するため、2900円のシャツなどバリュープライスのトップスを中心にラインアップ。「決して低価格戦略に乗じるわけではないが、これまでの中価格帯と低価格帯の2プライス戦略で攻めていく。すでに商品は店頭に投入しているが好調だ」と三浦憲之・取締役管理部長は話す。

 なお、出店攻勢は依然強める。主力の「ライトオン」や新業態のライフスタイルストア「バックナンバー」などを、ショッピングセンターを中心に計35店舗出店。効率化のため19店舗を閉店するが、今期末には500店舗超えを目指す。今期は売上高780億円(前期比102.8%)、営業利益25億円(同143.4%)、経常利益24億円(同145.3%)、当期純利益10億円(同237.4%)とV字回復を見込む。

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