パルの2016年2月期連結業績は、売上高が前期比105.8%の1144億円、本業のもうけを示す営業利益が同72.3%の58億円、純利益が同80.4%の32億円だった。衣料・雑貨事業を合わせて過去最高となる127店舗を出店によって増収を確保。だが、店舗のスクラップ&ビルドに伴う販管費増大や、連結子会社のナイスクラップを完全子会社化する株式交換に伴う負ののれん発生益計上などで利益率は悪化した。既存店の売り上げはグループ全体で同96.9%、客単価は同96.5%になるなど「近年で一番厳しい結果になった」と同社は総括した。
井上英隆・会長は「アイテム数を増やしすぎたことでムダが生まれ、粗利益率を落としてしまったことが大きな反省」と振り返り、「『コロニー 2139』を筆頭とするベーシック系ブランドの強化施策を進め、今秋をメドにV字回復する」と宣言した。商材の上代設定の見直しや、売れ筋・死に筋商品のクイックレスポンスといった短サイクルMDの精度向上で粗利益率の改善を図る。一方で、店舗出店や新規ブランド事業は「しばらく控える。秋の時点での成果次第」と井上会長。
パルは9月1日付で持ち株会社体制に移行し、社名をパルホールディングスに変更する。今期の連結業績予想は売上高1214億円(前期比106.2%)、営業利益79億円(同136.2%)、純利益44億円(同134.4%)を見込む。