ミズノの2016年3月期は、売上高が前期比104.8%の1960億円、営業利益が同58.8%の29億円、純利益が同62.4%の20億円だった。円安ドル高の影響で仕入れコストが上昇し、粗利益率が1.1ポイント悪化。米州におけるシューズビジネスが苦戦したことなどから、大幅な減益になった。国内の売上高は同103%の1264億円。ランニングシューズやゴルフ用品の販売が好調だったが、暖冬により冬物衣料の販売が苦戦した。海外では欧州、アジア、オセアニアは前年をクリア。米州はフットウエア販売不振に加え、ブラジル経済低迷やレアル安による南米向けビジネス不振が響いた。「(米州が)一番の経営課題。販売組織の再編成や在庫適正化を早急に進める。今期も5億円の赤字を予想している」と水野明人・社長。
今期は売上高2000億円、営業利益55億円、純利益35億円の連結業績を計画。粗利益率改善に向けて、商品原価率の引き下げや、生産効率化など徹底的なコストダウンに取り組み「売価修正の可能性もゼロではない」と同社。期待を寄せるのは、新チャネル開拓だ。シューズ専門店や通販、量販店といったスポーツチャネル以外での販売が順調に伸びていることから、ライフスタイル事業を強化している。カジュアル市場に向けた新ブランド「ミズノスポーツスタイル」を日本や韓国、中国など7カ国で順次発売。さらに、1980年代以前に販売していたシューズライン「M-ライン」を復刻した。直営店のほかセレクトショップなどへの卸を行う。水野社長は「今活況のストリートカジュアル市場に弱かった。ランニングシューズほどスペックを高めず、こなれた価格設定のカジュアルスニーカーで、新たにチャレンジする。感触はまずまずだ」と語った。