帝人の繊維・アパレル商品を扱う製品事業グループの2016年3月期は、売上高が前期比104.4%の2709億円、営業利益が同126.1%の53億円だった。高機能素材「デルタ」「ソロテックス」などを使ったスポーツ・アウトドア、カジュアル衣料品の販売が拡大。中核会社の帝人フロンティアの売上高は同102.4%の2108億円で、国内の暖冬など天候不順、ASEANシフトに向けミャンマーなどの縫製工場買収の先行投資の影響により、営業利益は同90.2%の37億円と増収減益だった。しかし、中国を始めとする海外グループ会社が好調に推移し、グループ全体は増益となった。
今期は高機能素材の拡充と開発のほか、昨年から進める国内外の縫製工場買収による工場自前化と品質管理の標準化を推進し、衣料OEMビジネスの強化を進める。業績予想は売上高2800億円、営業利益60億円。帝人フロンティアの社長を兼任する日光信二・帝人グループ執行役員 製品事業グループ長は、現在の円高傾向を「好影響」と捉え「スポーツ・アウトドア系の高機能製品に重点を置いたことで、付加価値を高められた。為替に影響を受けにくい企業体質を作るべく、地産地消とグローバリゼーションを強化する。2年以内に売上高3000億円を達成する」と語った。