近鉄百貨店は、旗艦店「あべのハルカス近鉄本店」を今春から順次、改装する。昨年3月に全面開業したばかりの店舗の改装は異例だが、当初予想を大幅に下回る売り上げ不振でテコ入れが待ったなしになっていた。ウイング館にある専門店街のソラハ(2階、3階、3.5階、4階)の4階部分を百貨店の売り場に改装し、ギフトサロンや商品券売り場、催事場を移設・新設する。ソラハ全体でもティーン向けの店舗を縮小し、20代以上のヤングやOL向けの専門店街として再整備するほか、集客力の高い大型テナントの導入も検討する。
あべのハルカス近鉄本店は、長年この地で営業していた近鉄百貨店阿倍野本店が日本一の超高層ビルあべのハルカスの開業に伴い、売り場面積日本一の百貨店として鳴り物入りでオープンした。百貨店と専門店をミックスした売り場編成でターミナル立地の集客力を生かそうとしたが、早い段階から苦戦が続いた。1450億円を掲げていた初年度(15月3月期)売上高目標を、昨年8月に1170億円に下方修正。だが、この目標にも届かない見通しで、開業1年で早くも抜本的な見直しを迫られていた。