今日から12月31日までは、特別企画「総決算!!ファッション界2012重大ニュース&なんでもベスト」をお届けします。「WWDジャパン」編集部が選んだ2012年のトップニュースを、デザイナー交代からヒットアイテムまで分野別に配信。大掃除や帰省や旅行、お仕事の合間にぜひチェックしてみてください。
【ファッション界2012重大ニュース1】ファンタジーからリアルの流れ加速。デザイナー交代劇相次ぐ
振り返れば、昨年だって「クロエ」や「ケンゾー」「バルマン」「イッセイ ミヤケ」などで新クリエイティブ・ディレクターが就任したが、デザイナー交代劇は2012年に入ると収束するどころかますます激しさを増し、ファッション業界で一番のホットトピックスとなった。
特に印象的だったのは、ジョン・ガリアーノの“口禍”問題に端を発する「ディオール」の後継者問題の決着と、「サンローラン」のトップ就任で実現したエディ・スリマンのファッション業界へのカムバック。LVMHとPPR の主要ブランドにおけるトップ交代は、ビリヤードのごとく様々なメゾンへと波及し、「ジル・サンダー」や「エルメネジルド ゼニア」「アニオナ」などの変化へとつながった。こうしたデザイナー交代劇の根柢に流れるのは、数年来続く「ファンタジーからリアルへ」というファッション業界の潮流だ。
ニコラ・ゲスキエールからアレキサンダー・ワンにバトンがパスされた「バレンシアガ」、創業者が三度トップに戻ってきた「ジル・サンダー」は、まさにその具体例。それぞれ、プレスを中心とするファッショニスタからは絶大な支持を受けながらも、ショーピースとコマーシャルピースの乖離やアクセサリー不足などの理由でバイヤーからの評価は賛否が分かれていたブランドは、総じて“売れる”商品が生み出せそうなデザイナーを後継者に指名している。