「ハリー・ウィンストン・ダイヤモンド社がウォッチ&ジュエリー部門の売却を考えているようだ」という噂が突如浮上したのは10月17日。業界関係者によると、リシュモングループを除くほとんどのラグジュアリー・グループが関心を示しており、ハリー・ウィンストンは売却価格として10億ドル(約820億円)ないしはEBITDA(金利・税金・償却前利益)の30倍相当を求めているといわれていた。また、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトンとPPR がアプローチを受けたという噂も流れた。だが、翌18日には、ハリー・ウィンストンのフレデリック・ドゥ・ナルプ社長兼最高経営責任者が、きっぱり否定。「私が着任して約3年になるが、毎月のように銀行などから買収したいというオファーを受ける。だが、我々にはまったくそんなつもりはない」。
同社は「ハリー・ウィンストン」ブランドを展開する小売り部門のほか、鉱業部門も構えている。7月31日終了の2012年度第2四半期決算では、「ハリー・ウィンストン」の売上高は対前年同期比87%の1億1540万ドル(約94億6200万円)だった。