ビューティ

「ビープルフェス」のにぎわいに見た、「コスキチ」から独り立ちの決意

マッシュビューティーラボの食・コスメ・ライフスタイルのセレクトショップ「ビープル(BIOPLE)」は、6月22〜23日にかけて「ビープルフェス」を開催した。これまで同イベントは業界関係者やインフルエンサー向け展示会の主旨で実施してきたが、今回から一般客向けに解放。2日間で計3000人以上(事前予約での申込数)が来場した。

同ブランドは「コスメキッチン」のセカンドブランド「ビープル バイ コスメキッチン」として2013年にスタート。22年に「コスメキッチン」を屋号から外した現名称で再出発した。両業態は従来よりMDの差別化において課題を抱えていたが、今回のフェスでは、「コスメキッチン」から独り立ちした“ビープルらしさ”が感じられた。

物販と体験でブランドの思想を伝える

出展ブースは全部で39あり、「物販」と「体験」が満載だった。「ビープル」で取り扱うコスメブランドの新作展示のほか、終売品のアウトレット販売、効能の違うミネラルウォーターを飲み比べる“利き水”体験、能登地震の被災地支援を目的とした地元水産業者による地酒や海産物の乾物販売など、どのブースもにぎわいを見せた。枠組みを超えた多彩なコンテンツをそろえる中でも、「“ビープルらしさ”にこだわった」と話すのはマッシュビューティーラボの豊山YAMU陽子社長だ。

豊山社長が考える“ビープルらしさ”とは、「表面的な美しさの実現だけでなく、商品を使うことで長生きや未病といった本質的なウエルネスや、社会とのつながりまで感じられること」だという。「『ビープルフェス』は、そういったブランドの大切にしている思いを知っていただくために、お客さまとつながる場にしていきたい」。

接点を広げ、MDで個性を深掘り

今年4月には、JR新宿駅の商業施設「イイト(EATo)ルミネ」に新業態「ビオップ(BIOP)」を出店した。今年9月には阪急うめだ本店でのイベントを予定する。地場産素材を使用したコスメや、デパ地下の食品店とコラボした商品開発を準備している。消費者との接点を増やし、ブランドの思想を広く伝えるための取り組みに力を入れる。

19ある既存店では、MDのテコ入れを進めて個性を尖らせる。メイクアップカテゴリーのラインアップを厳選する一方、インナービューティの提案を拡充。スキンケアやメイクアップが豊富な「コスメキッチン」や競合のバラエティーショップにはない、「ビープル」らしさを深掘りする。

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