ビジネス

LVMH、豪華列車オリエントエクスプレスの親会社に投資 ホスピタリティー分野を強化

LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、オリエントエクスプレス(ORIENT EXPRESS)などを擁するフランスのホテルグループ大手アコー(ACCOR SA)と戦略的パートナーシップ契約を締結した。投資額やLVMHの持分などは明らかにしていない。

アコーは1967年の創業。フランス北部ノール県に現代的なホテルを設立したことを皮切りに、欧州を中心にホテルチェーンを展開した。買収も積極的に行い、80年代には米国やアジア地域に進出。83年には、パリ証券取引所(現ユーロネクスト・パリ)に上場した。その後も事業を拡大し続け、2023年12月末の時点で、前述のオリエントエクスプレスのほか、ラッフルズ(RAFFLES)、バンヤンツリー(BANYAN TREE)、フェアモント(FAIRMONT)などのラグジュアリーホテルや、アンサナ(ANGSANA)やプルマン(PULLMAN)などのプレミアムホテルなど、45のホテルブランドを世界110カ国で展開。また、1万軒以上のレストランやバーも運営している。

LVMHは、18年にイギリスの高級旅行会社ベルモンド(BELMOND、旧オリエント・エクスプレス・ホテルズ)を26億ドル(約4134億円)で買収した。その後もホスピタリティー事業を強化しており、16年におよぶ大規模なリノベーションを経て21年にオープンしたパリの老舗百貨店サマリテーヌ(LA SAMARITAINE)には、高級ホテルのシュヴァル・ブラン(CHEVAL BLANC)を併設。また、傘下ブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「ディオール(DIOR)」「ブルガリ(BVLGARI)」などは、レストランやカフェ、ホテルを手掛けている。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼最高経営責任者(CEO)は、「オリエントエクスプレスは、冒険とエレガンスを創業時から具現化している。その名前は文化遺産であり、今後も偉大なアーティストらのインスピレーションの源であり続けるだろう。アコーと提携し、旅行業界のアイコンである同ブランドのリニューアルを促進できることをうれしく思う」と語った。

セバスチャン・バザン(Sebastien Bazin)=アコー会長兼CEOは、「LVMHと共に新たな地平を開き、このエキサイティングな旅路を推し進められることを大変うれしく思う。オリエントエクスプレスという歴史的な列車を再興しつつ、26年には同ブランド初の帆船もローンチする予定だ」と述べた。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

疾走するアシックス 5年間で売上高1.8倍の理由

「WWDJAPAN」11月4日号は、アシックスを特集します。2024年度の売上高はコロナ前の19年度と比べて約1.8倍の見通し。時価総額も2兆円を突破して、まさに疾走という言葉がぴったりの好業績です。売上高の8割以上を海外で稼ぐグローバル企業の同社は、主力であるランニングシューズに加えて、近年はファッションスニーカーの「オニツカタイガー」、“ゲルカヤノ14”が爆発的ヒットを記録したスポーツスタイル…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。