PROFILE: アン・メルマン/クロックス エグゼクティブバイスプレジデント&クロックス ブランド プレジデント
「クロックス(CROCS)」が好調だ。コロナ禍でますます進んだカジュアル化も追い風に、2024年第1四半期(1〜3月期)の売上高は、前年比6%増の9億3900万ドル(約1511億円)で過去最高を記録した。ハローキティや「トイ・ストーリー」など誰もがなじみのあるキャラクターから、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や「シモーン ロシャ(SIMONE ROCHA)」などファッションコアに刺さるブランドまで網羅するコラボレーションや、"ジビッツ”と呼ばれる専用のカスタムチャームなど、シンプルなカジュアルシューズのDNAを逆手に取った施策で大きな手応えを得ている。このほど来日したアン・メルマン=エグゼクティブバイスプレジデント&クロックス ブランド プレジデントが同社の戦略について語った。
Z世代に人気の“ジビッツ”は約400億円規模に
WWD:業績好調の主な要因は?
アン・メルマン(以下、メルマン):2017年以前の数年間は業績が低迷していた。そこで戦略を刷新した。私たちの強みは、圧倒的な認知度の定番モデル“クロッグ”だ。それをいかに消費者のニーズやライフスタイルの変化に合わせてレレバンス(消費者との結びつき)を高めていけるかを軸に設計し直した結果、18年以降業績は右肩上がりだ。なかでも今注力しているのは、セレブリティを通じたマーケティング、グローバルとローカルの両方の視点を取り入れたコラボレーション、そして"ジビッツ”(クロックスのシューズの穴に取り付ける専用のチャーム)を使ったパーソナライゼーションだ。商品別では定番の“クロッグ”、スリッポンタイプのサンダル、そして"ジビッツ”が3本柱になっている。意外かもしれないが、“ジビッツ”だけでも2億5000万ドル(約400億円)規模のビジネスになっていて、売り上げ全体の9%を占める。直近では特に中国、韓国をはじめとするアジアとオーストラリア市場での伸びが顕著だった。
WWD:消費者のマインドが大きく変わったコロナ禍を経て、商品軸ではどのような工夫を?
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